妊娠前の体重やBMI(体格指数)が、妊娠のしやすさだけでなく、妊娠中の合併症とも関連することが分かっています。体重管理は、治療を始める前にご自身で取り組める、大切な準備の一つです。
BMIと妊娠の関係
BMIは身長と体重から計算される体格の指標です。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²
日本では、BMI25以上が肥満とされています。
妊娠を考える場合、まずはBMI25未満を目指すことが一つの現実的な目標になります。
BMIが高い状態では、排卵の不安定さや、インスリン抵抗性の増加などを通じて、妊娠しにくくなる可能性があることが報告されています。複数の研究やメタ解析では、妊娠前に体重を減らした女性で自然妊娠率が上昇した可能性が示唆されています。
妊娠中のリスクという視点
体重管理が重要なのは、妊娠のしやすさだけが理由ではありません。
BMIが高い状態で妊娠すると、
- 妊娠高血圧症候群(HDP)
- 妊娠糖尿病(GDM)
- 帝王切開率
などの妊娠合併症のリスクが高くなることが知られています。
これらは母体の健康だけでなく、赤ちゃんの発育や分娩経過にも影響する可能性があります。
安全に妊娠・出産するためにも、妊娠前の体重管理は重要と考えられています。
目指すべき減量ペースと実践のポイント
肥満がある場合でも、急激な減量はおすすめできません。
目安としては、月に体重の5%程度のペースで、数か月かけてゆっくり減らすことが現実的です。
実践のポイントは「特別なことをする」よりも、「日常を少し見直す」ことです。
特に見落とされやすいのが、甘い飲み物や間食です。
たとえば、
- 砂糖入りのカフェラテ
- 甘いドリンク
は、「飲み物だから大丈夫」と思われがちですが、糖分とカロリーが意外と高いことがあります。
毎日のカフェラテ1杯が、知らないうちに体重増加や血糖変動につながっているケースも少なくありません。
完全にやめる必要はありませんが、
- 無糖のカフェラテにする
- サイズを小さくする
- 毎日ではなく回数を減らす
といった小さな工夫が、減量につながることがあります。
あわせて、
- 朝食を抜かない
- 野菜とたんぱく質を意識した食事
- 毎日20〜30分程度のウォーキングなど、続けられる運動
を組み合わせることで、無理なく体重管理がしやすくなります。
まとめ
- BMI=体重(kg)÷身長(m)² で計算できる
- 妊娠前は BMI25未満 を一つの目標にする
- 肥満がある場合は 月5%程度の減量
- HDP・GDMなど妊娠中リスク低減の観点でも重要
- 甘い飲み物(カフェラテなど)の見直しが効果的
体重管理は、妊娠のすべてを左右するものではありませんが、
日常のちょっとした選択が将来の妊娠につながる可能性があります。
当院では栄養士による指導も実施しています。
気になることがあればいつでもご相談ください。