不妊治療について調べていると、
「先進医療」という言葉を目にすることが多いのではないでしょうか。
- 先進医療って何?
- やらないと妊娠できないの?
- 費用が高そうで不安…
このような疑問をお持ちの方は少なくありません。
この記事では、不妊治療における先進医療の位置づけと考え方を、できるだけわかりやすく解説します。
不妊治療は「2階建て構造」です
現在の日本の不妊治療は、大きく2つに分かれています。
① 保険診療
人工授精、体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)を含め、
診察・検査・排卵誘発・採卵・受精・胚移植といった治療の基本部分は保険診療として行われます。
年齢や回数の条件はありますが、
多くの方が自己負担3割で治療を受けることができます。
② 先進医療
一方で、
- 胚の育てかたを工夫する技術
- 精子の選別方法
- 子宮内環境を評価する検査や治療
などの一部の技術は、先進医療として位置づけられています。
先進医療は
👉 保険診療と併用できるが、費用は全額自己負担
という特徴があります。
先進医療とは「最先端=必須」ではありません
ここで大切なポイントがあります。
先進医療は「効果が期待できる可能性がある治療」ですが、
すべての方に必須な治療ではありません。
「先進医療をやらないと妊娠できない」
ということはありません。
先進医療は「妊娠率を底上げする選択肢」
先進医療の役割を一言で表すと、
標準治療で十分な方が大多数だが、
条件によっては妊娠率を“底上げ”できる可能性がある技術
です。
たとえば、
- 胚移植を繰り返しても妊娠に至らない場合
- 男性因子が強い場合
- 子宮内膜環境に異常が疑われる場合
などで、追加の選択肢として検討されることが多いのが先進医療です。
費用のイメージ(保険+先進医療)
不妊治療の費用は、
「保険診療+先進医療」の合計で決まります。

助成金制度について
不妊治療の先進医療は、自治体の助成金制度の対象になる場合があります。
助成されるのは、体外受精・顕微授精・胚移植の保険診療と併用して行われた「先進医療部分のみ」です。
東京都の助成制度
東京都では、先進医療にかかった自己負担額に対して、
一定割合・上限額まで助成する制度を設けています。
👉 東京都公式サイト
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/josei/funin-senshiniryou
葛飾区の助成制度
葛飾区では、東京都の助成を受けた方を対象に、
区独自の上乗せ助成を行っています(上限額あり)。
👉 葛飾区公式サイト
https://www.city.katsushika.lg.jp/kenkou/1000050/1001803/1034531.html
※ 助成の対象となる先進医療の種類、金額、回数、申請期限などは
自治体ごとに異なります。
最新の情報は必ず各自治体の公式ページをご確認ください。
先進医療の代表的な例
先進医療にはさまざまな種類があります。
- タイムラプス培養
- PICSI/CA0(精子選別法)
- ERA検査(着床の窓の検査)
- EMMA/ALICE フローラ検査
- SEET法
それぞれ目的・期待される効果・適応が異なります。
次回以降の記事では、
ERA検査やSEET法などを一つずつ詳しく解説していく予定です。
当院の考え方
不妊治療は、
「何をいつ、どこまで行うか」をご夫婦と一緒に考える医療です。
納得のいく選択ができるよう、
一つひとつ丁寧にご相談しながら進めていきます。
気になることがあれば遠慮なくご相談ください。