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人工授精は何回まで続けるべき?

人工授精を始めると、「何回くらい続ければよいのだろう」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。もう少し続ければ結果が出るかもしれないという期待と、体外受精へ進むタイミングへの迷いの間で判断が難しいテーマです。今回はデータを踏まえて整理してみたいと思います。

目次

人工授精で妊娠する確率と回数の関係

人工授精の妊娠率は年齢の影響を強く受けます。累積妊娠率は40歳未満では約20%、40歳以上では約10%程度と報告されています。自然に近い治療方法で身体的負担が比較的少ない一方で、治療効果には一定の限界があります。

重要な点として、人工授精で妊娠に至る方の約88%は4回以内に妊娠しているという報告があります。つまり回数を重ねれば重ねるほど成功率が上がる治療ではなく、結果が出る場合は比較的早期に妊娠することが多いと考えられます。

回数を重ねても妊娠しない場合に考えること

一定回数人工授精を行っても妊娠に至らない場合には、人工授精では解決できない要因が存在している可能性を考えます。例えば卵管による卵のピックアップ障害、受精障害、着床障害などです。人工授精は精子を子宮内へ届ける治療であり、卵のピックアップや受精の確認、胚発育の評価を行うことはできません。そのため問題の所在を明らかにすることにも限界があります。

年齢に関わらず重要なのは、やみくもに人工授精を継続し続けないことです。成功確率が低い状態で治療を続けることは、妊娠の可能性がある時間を消費してしまうことにつながります。結果として次の有効な治療開始が遅れ、時間だけを失ってしまう可能性があります。

次のステップを検討するタイミング

もちろん個々の状況により判断は異なりますが、一般的には3〜4回程度実施して妊娠に至らない場合には体外受精へのステップアップを検討することが合理的とされています。体外受精では卵を回収し受精の有無を確認し、胚の発育を評価できるため、治療と原因評価を同時に進めることが可能になります。

人工授精は負担が少なく自然に近い有用な治療ですが、回数を重ねれば必ず結果が出る治療ではありません。適切なタイミングで次の選択肢を考えることが、妊娠への近道になることもあります。回数について迷われている場合は、遠慮なく担当医にご相談ください。それぞれの状況に合わせた進め方を一緒に考えていくことが大切です。

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