不妊治療がステップアップし採卵を行う必要がでてきたときにハードルとなるものに自己注射があります。
「自分で注射なんて絶対無理…」
治療を始める前にそう感じる方はとても多いです。
特に採卵に向けた排卵誘発では、毎日自己注射が必要になることがあります。
ただ実際には、始める前は不安だった方でも、
「思ったより簡単だった」
「想像していたより痛くなかった」
と言われることが少なくありません。
今回は、自己注射に対する不安を少しでも軽くできるように、よくある心配と対策をまとめます。
ペン型注射は“思っているより簡単”です
不妊治療の自己注射は、糖尿病の治療でも広く使われているペン型注射を使うことが多く、操作は比較的シンプルです。
薬の量を設定し、腹部などに針を当ててボタンを押すだけ。
「注射器で薬を吸って、自分で刺す」というイメージを持たれる方もいますが、実際は想像しているより手軽です。
当院でも初回は看護師から使い方をご説明し、一緒に練習を行っています。
実は針はとても細いです
不妊治療の自己注射で使う針は非常に細い針が使われています。
一般的な採血で使われる針は22G(ゲージ)前後で、太さ(外径)は約0.7mmです。
一方、自己注射で使う針は34G程度で、外径は約0.18mm。
つまり、採血の針の約1/4の細さです。
数字だけではわかりにくいですが、実際に見るとかなり細いです。
もちろん感じ方には個人差がありますが、採血のような注射を毎日するイメージとはかなり違うことが多いです。

痛みを少なくするコツ
少しの工夫で、さらに楽になることがあります。
① 注射前に軽く冷やし、しっかりつまむ
保冷剤や冷たいタオルで数十秒軽く冷やすと、痛みを感じにくくなることがあります。
またしっかり皮膚をつまむことで感覚が鈍くなります。
② 毎回場所を少し変える
同じ場所に繰り返すと、赤みや痛み、しこりが出やすくなることがあります。
腹部であれば少しずつ位置をずらすのがおすすめです。
「右→左」「上→下」など、自分なりのルールを決めると続けやすいです。
③ 左右差がある方もいます
意外と多いのが、
「右は痛くないけど左は痛い」
「このあたりは痛い」
という感覚の違いです。
神経の分布や皮下脂肪のつき方で、痛みの感じ方には左右差があります。
もし痛みが強い場所があれば、“痛くない場所を探す”感覚で位置を調整するのもコツです。
④ 一気に刺す
怖いとゆっくり刺したくなりますが、実は迷いながらゆっくり刺す方が痛いことがあります。
ペン型注射は、軽く当てて「えいっ」と短時間で行う方が楽なことが多いです。
最初から平気な方のほうが少数派です。
自分で自分に針を刺すという行為が怖いという方が多いですが、痛みはほとんどありませんので実際にやってみると1,2回で慣れると思います。