― 「精子が卵子を待ち構える」ことがいちばん大切 ―
妊活をしていると、
「いつ性交渉をすればいいのか」「何回くらいがよいのか」
と迷う方がとても多くいらっしゃいます。
実は、妊娠しやすさは
卵子と精子の寿命の違いを理解すると、とてもシンプルになります。
卵子は短命、精子は長く生きる
卵子は排卵してから、受精できる時間があまり長くありません。
一方で、精子は女性の体内で 3~4日程度生存することができます。
そのため重要なのは、
排卵してから性交渉を行うことではなく、
排卵するときにすでに精子が女性の体内にいる状態を作ること
です。
つまり、妊娠しやすいのは「排卵の前」なのです。
月経周期が規則的な方の排卵日の考え方
月経周期がほぼ一定の方では、
排卵日は「月経周期 − 14日」前後
が目安になります。
これは、排卵後から次の月経が始まるまでの期間(黄体期)が、多くの女性で 約14日前後と比較的一定で、個人差が少ないためです。
月経周期の長さの違いは、主に排卵までにかかる日数の違いによって生じます。
例えば、
- 28日周期 → 14日目
- 30日周期 → 16日目
- 32日周期 → 18日目
が排卵日の目安になります。
この「推定排卵日」を中心に、性交渉のタイミングを考えます。
具体的なタイミングのとり方
性交渉は毎日である必要はありません。
推定排卵日を 0 日とすると、次のような組み方がとても理にかなっています。
- -4日
- -2日
- 0日(推定排卵日)
- +2日
このように、
排卵日をはさむように性交渉を行うことがポイントです。
排卵後2日目にも行う理由は、
「推定排卵日」はあくまで予測であり、実際には排卵が遅れることもあるためです。
ただし上記のようにきっちりする必要はありません。予定もあるでしょうし、プレッシャーもかかります。
おおよその排卵日を計算してその周辺で複数回性交渉を持てば十分です。
基礎体温の正しい使い方
基礎体温は妊活でよく使われますが、
体温が上がった時点では、すでに排卵が終わっていることが多い
という性質があります。
基礎体温は、
「今月はこのあたりで排卵していそうだな」と
後から振り返るための道具としては有用ですが、
これからタイミングをとる日を決める目的にはあまり向きません。
尿の排卵検査薬について
排卵検査薬(LH検査薬)はしっかりと陽性になれば排卵のサインとして有用ですが、排卵してても陽性にならないことがあります。そのため、陽性になるのを待ってから性交渉をするのではタイミングを逃してしまうこともあります。
あくまで参考程度に使用して推定排卵日周囲での性交渉回数を増やすほうが取りこぼしが少ないと思います。
また陽性が出にくい方は、1日2回(朝・夜など)測定すると検出しやすくなることもあります。
病院でのタイミング指導のメリットと限界
クリニックでは、超音波検査によって
- 卵胞の大きさを直接確認
- 排卵日をより正確に予測
することができます。
ただし、
月経周期が規則的で、
自然に十分な回数の性交渉ができている場合
には、病院でタイミング指導を行うメリットはあまり大きくありません。
そのような場合には一般的な不妊検査を行いながら人工授精へのステップアップを推奨しています。
月経不順がある場合
月経周期が不規則な方では、
カレンダー計算や排卵検査薬だけで排卵日を正確に予測することが難しくなります。
このような場合には、排卵誘発剤を用いて卵の発育をコントロールしながら超音波で排卵日の推定を行うことができるため、通院のメリットは十分にあります。
まとめ
- 妊娠しやすいのは「排卵の前」
- 排卵時に精子が待っている状態を作ることが最重要
- 月経周期 − 14日を目安に、前後で性交渉を増やす
- 基礎体温・排卵検査薬は「参考」として使う
- 月経不順がある場合は、通院による排卵管理が有効