体外受精とは
体の外で精子と卵子を受精させ受精卵を子宮内に戻すことで妊娠率を上げる方法
のことを意味します。
妊娠のメカニズムでいうところの、卵管の手前までは人工授精でもカバーできますが、
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卵管
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排卵
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受精
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受精後の胚の発育
までをケアすることができます。
言い換えれば、不妊の要因となりうる
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卵管因子
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排卵因子
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および原因不明の一部
にはこの方法をもって対応することができ、一部の生殖医療医の中には、
「体外受精は治療がメインの面としてあるけれど、体外受精をすることで不妊であった理由がわかる検査的な側面がある」
などといわれるはそういった理由があるのです。
治療効率として確かなもの
体外受精の成功率は、年齢にもよりますが、30-50%といわれています。
不妊症でない方の自然妊娠の確率が20%であることを考えると、それよりも高い数値になり、
ようやく「治療」という呼べる水準であるといわれることもあります。
この体外受精以上の手法のことを、高度生殖医療あるいは生殖補助医療(ART)と表現します。
体外受精のポイントは「採卵」「受精」「移植」
体外受精の大きな流れは
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採卵
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受精
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移植
によって構成されます。
採卵
卵子を体外に取り出す方法のことを指します。
日本で主流になっているのは、自然周期という方法ですが、
欧米をはじめ、最近日本でも増えているのは卵巣刺激を行い、複数の卵子を採卵する方法です。
そのため、「採卵=卵巣刺激+採卵」という意味合いで使われることも多くあります。
体外受精における卵巣刺激は、一般不妊における卵巣刺激とは目的も進め方も異なるため、
整理する必要があります。
受精
文字通り、体外に取り出した卵子と精子を受精させるわけですが、
受精方法は、専門的には媒精方法と呼ばれますが、
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通常の体外受精(IVF)、※C-IVF(コンベンショナルIVF)と表現されることもあります。
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顕微授精(ICSI、イクシー)、
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スプリット法(IVFとICSIの混合)
に分類されます。
移植
受精させた胚を子宮内膜に移植し「着床」させることを目的とします。
- 受精させた後、そのまま発育させたのち数日後に戻す(新鮮胚移植)
- 受精させた後、一度凍結し、子宮内膜の状況を整えてから戻す(凍結融解胚移植)
があり、特に主流となってきているのは凍結融解胚移植です。
体外受精になるとこうした基礎的な知識をはじめ、学ぶべきポイントが多くあるため、
しっかりと準備をし、必要なことを実施していけるような下地づくりが肝心です。