こんにちは。漢方薬剤師、国際中医専門員の住吉忍です。
すっかり春らしくなりましたね。
春は、陽気が高まり、五臓の「肝」の働きが活発になる時期です。
肝は、自律神経を司り、ホルモンバランスなどを調整する臓腑です。
この肝の働きが過剰に高ぶったり、負荷が掛かりすぎてしまうと、ホルモンのバランスが崩れ、
生理不順や、PMSなどの症状が出やすくなり、卵胞の発育も影響が出てしまうことがあります。
そのため、この「肝」の動きを正常に保つことがとても大切で、
そこで意識するのが、実は「朝時間」なんです。
今回は、妊活における「朝時間」の過ごし方を、この肝の働きに注目して、ご紹介したいと思います。
朝時間と「肝」の関係性
朝、夜が明ける5時ごろから肝が働き始め、気と血の流れがスムーズに循環するのを助け、
体は、デトックスの時間となります。
肝がスムーズに働くには、朝の5時から7時に起床するのが理想的です。
ただ、冬は、まだ夜明け前の冷え込みが強い時間なので、7時ごろがいいですね。
前日の夜は、寝る2、3時間前に食事を終えると、空腹で目が覚めるようになります。
起床してすぐは、消化に負担のかかる飲食は控え、白湯や、胃腸の働きを助けるお茶、漢方などを取りましょう。
休日は、その後に、瞑想やヨガなどができると、肝の機能をしっかりとサポートし、デトックスにも役立ちます。
ウィークデーも、朝日をしっかり浴びて、軽くストレッチをするだけでも、効果を発揮します。
一人一人にあった朝食のすすめ
そして、朝食は、消化の良いもの、常温以上のものがおすすめです。
フルーツは体を冷やすものが多く、スムージーなども含めて、常温で取り入るようにしましょう。
体質としては、陽虚(熱を生むエネルギーが少ない方)、血虚の方(血が少ない方)には、少し不向きです。
玄米も、栄養バランスに優れますが、胃腸には、負担になることもありますので、
おかゆにする事もおすすめです。
この食材が全ての方に合う!という物は、厳密にはありません。
「何を食べたらいいですか?」というご質問もよくいただきますが、
一人一人の体質が違うので、一人一人にあった朝食のメニューがあります。
少数派ですが、朝は抜いた方がいいという体質の方もいます。
午前中に充実して過ごせる事や、午後12時頃には、しっかり空腹を感じる事ができるかなどを目安に、
ご自身にあったメニューを考えてみてくださいね。
その中でも、私が日本女性のお薦めしたいのは、「お味噌汁」です。
出汁を、しっかりと取ったお味噌汁は、ミネラルも補給でき、具材を増やせば、
たくさんの栄養素を吸収しやすい形で取り入れる事ができます。
まずは、パックの出汁でもいいので、やってみてくださいね。
漢方外来では、このような生活養生、食養生もお伝えしています。
参考にしていただける事があれば、嬉しいです。