よくある質問の一つに
「何歳から体外受精にチャレンジすればよいですか?」
ということがあります。
昨今、「やめどき」が論じられることも多いですが、「はじめどき」「始め方」は非常に重要です。
レポートデータから考えたときの推計となりますが、ひとつヒントになるものがあります。
海外の論文データから見る、最適な治療のモデルケース
Goldmanらの論文では154組のカップル、38-42歳の方々を対象にして
人工授精で妊娠しなければ体外受精、あるいは体外受精からスタートの二つ
の方針のもと治療を行いました。
その2周期の妊娠率と出産率を比較したものとなります。
人工授精から始めた方
妊娠率が21%、出産率は15%という結果となりました。
体外受精から始めた方
妊娠率が49%、出産率が31%となりました。
体外受精を始める時期を考える上でのヒントとは?
合計してみると、計46%のカップルが出産に至ったということですが、
その80%は体外受精によるものであったということです。
実際に女性の妊孕性は、35歳からそれまでとは違う鋭い角度で減少していき、
38歳を境に加速度的に減少します。
そうした背景も関係しているのでしょう。
また、人工授精は体外受精と比べた際に、
受精したかどうか
胚盤胞まで育ったかどうか
などを確認することができません。
そのため、こうした差につながると思われます。
体外受精、いつ始めるかのまとめ
こうしたレポートから導き出せることは
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38歳から42(3)歳
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即開始か、人工授精はせいぜい2周期までで妊娠しなければ体外受精
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6周期以内に約半数が出産
ということで、一つの参考にしてみるのもよいと思います。
ただ、個人によって状況は異なります。
例えばAMHが非常に低く、採卵数が多く望めない場合には、少し早まると考えてもよいですし、
男性不妊因子がある場合には、はじめから体外受精以上の選択肢しかないわけですから、
この件は参考にならないとも言えます。
もとをただせば、ライフプラン次第であり、診断次第ということなのかもしれません。
妊活や不妊治療を行う前に、パートナーや医師やスタッフとよく相談されると良いと思います。。