人工授精とは、
運動良好精子を受精の場に送り届けることで妊娠率を上げる方法
のことを指します。
人工授精という、言葉の響きからは、とても人為的になにか受精操作をする印象を受けがちですが、
妊娠のステップでいうところの膣から子宮頚管の部分をバイパスしてできる限り
卵管に近いところまで届けるというものです。
人工授精の手順
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精液を採取します
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採取した精液を濃縮し、雑菌等の処理を行い
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子宮内に注入する
実際に注入した後は、自然妊娠やタイミングと比べて、精子と卵子が出会い受精する確率、着床する確率、妊娠する確率はタイミングと差はありません。
あくまでも膣から子宮頚管、子宮の部分をバイパスするということだと理解いただければと思います。
そのため、治療当日前に行うこともタイミングと同様で、基礎体温等のチェックもありますし、
女性因子も可能性としてあるという場合には、卵巣刺激などを行う場合もあります。
人工授精で妊娠される方の約90%は4~6回目までに成功するため、その回数を目安に体外受精へステップアップすることが有効です。
人工授精が適応となるケース
どういったときに人工授精が適応となるのかを解説していきます。
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男性因子(軽度)
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フーナー検査不良(子宮頸管での生存精子が少ない)
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性交障害(夫婦生活がうまくいかない)
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原因不明(タイミング法で妊娠に至らない)
の場合、人工授精が適応となります。
男性因子
男性因子としては軽度の該当となりますが、そもそも精子は25分の1mmぐらいのサイズの精子が、
健全であったとしても10秒間に1mm程度といわれていますので、膣から子宮頚管・子宮・卵管というのは
とてつもなく長い距離であるといえます。
この距離をなくしてあげることで、より受精の場に近づいていくサポートをするということです。
フーナー検査不良
頸管粘液との相性が合わないかたも人工授精の適応となります。
性行障害
膣内射精障害や勃起不全(ED)の方も実はとても多いといわれています。
膣内射精障害とは「マスターベーションでは射精できるのに、性交のときに膣内に射精出来ない」状態のことを言います。
タイミングを意識して「今日は排卵日だからうまく射精しなくてはならない」と思いすぎると、
膣内射精障害ばかりかEDの原因ともなるともいわれます。
そうした方で明確な治療法がないという方にも人工授精は有効とされ、妊活とセックスを分けて考えるという方も少なくありません。
原因不明
タイミングを何度とっても妊娠に至らないという方が主となりますが、
一般には、タイミングをとって半年してからという期限設定が多くみられます。
ご自身のライフプランや年齢によって、一律の正解はないため、ご夫婦でよく相談されるとよいのではないでしょうか。
次に、人工授精の注意点や体外受精との違いについて、理解していきましょう。