基礎知識

タイミング療法

ここではタイミング療法について解説していきます。

タイミング療法とは、排卵日に合わせて性交渉を持つことによって、より妊娠確率を高めようというものです。

よくあるものでは、基礎体温を日々記録し、排卵の時期を予測しながらタイミングを合わせて性交渉を行うというものです。

 

妊娠しやすい時期とは


妊娠しやすい時期、タイミングをとりやすい時期を知るには、排卵の仕組みを理解しておくとよいです。

 

卵胞(卵巣にある、卵子が入っている袋)が育ち、およそ18~20mmくらいになると、

LH(黄体化ホルモン)というホルモンが急激に分泌され、これに刺激されて卵子が卵胞の外に出る

この一連の流れを指して、排卵と言います。

 

よくある排卵日検査薬は、このLHを調べています。排卵そのものを調べているわけではありません。

排卵すると、卵胞は黄体へと変化し、その黄体からはプロゲステロンというホルモンが生成され、

それによって基礎体温が上昇し、高温相になります。

これが排卵のメカニズムであり、基礎体温のメカニズムでもあります。

 

基礎体温からわかること


 

 

  1. 排卵の有無

  2. 毎月のパターンから排卵日が予測できる

  3. 黄体機能不全の有無

  4. 不正出血の原因の推測

が基礎体温からわかるため、可能な限りつけた方がよいとされています。

基礎体温についての詳細はこちらから

 

また、排卵がうまくなされない方はこのタイミングでクロミフェン療法などの卵巣刺激法を

組み合わせて治療することも多くあります。

参照:一般不妊における卵巣刺激について

 

排卵日以上に大切なこと


排卵日を知り、細かく検査することでタイミングを合わせることはとても重要です。

またおおむね費用がかかることもないので、この方法がよくとられているのも事実です。

しかし、病院でもなかなか教えてくれないことがあります。

 

それは

最も妊娠率が高いのは排卵日の2日前

だということです。そして

それを的確に予測するすべはないということ

です。

 

的確な予測が実はできないけれどタイミングを合わせるにはどうすればいいか。

 

より多くの性交を持つこと、あるいは持てるように努力することが大切です。

極端な話が毎日でもよいのだといわれます。

 

日本において、夫婦間での性交渉の回数は1か月に4回程度といわれています。

既婚者の55.2%、交際中では29%が「セックスレスだと思う」と回答。特に40~50代男性の6割の方がセックスレスだと思ってるとのことです。

参照:http://sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex/times_sex.html

また、世界における年間の平均性交渉回数は106回といわれますが、日本は45回といわれています

(参照:Durex社 2005 global sex survey report)

つまり、ダントツで性交渉回数が少ないのです。

タイミング療法の後は、人工授精あるいは体外受精へとステップアップしていきます。

費用の差こそあれ、いずれにしても高額な治療となり、より「治療」の色合いが強くなります。

夫婦でできることを最大限行い、悔いなくステップアップできるようにしましょう。

 

妊活ノート編集部

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