昨日、2017年3月27日に開催した講演会について紹介いたします。
当院におかかりの多くの方には直接的には影響が無いかもしれませんが、
ぜひ知っていただきたい取り組みの一つです。
近年、若くしてがんにかかられている方が急激に増加する一方、
医学技術も進化を遂げ、がんを克服する方(通称:がんサバイバー)の方が増えています。
しかし、がん治療の過程で、副作用があり、女性の卵巣機能(=妊娠する力の源)に
ネガティブな影響を与えてしまい、がんを克服した後の妊娠が望めなくなってしまう事があるのです。
私達が日々行う生殖補助医療には、こうした患者さまの妊娠する力を温存する可能性があります。
それを「妊孕性(にんようせい:妊娠する力)温存」と呼びます。
具体的には、卵子の凍結、受精卵の凍結、そして卵巣組織の凍結があります。
参照:外部サイト 妊孕性温存とは
海外と日本における妊孕性温存の現状と今後の課題について
当院理事長の京野からは日本の卵巣凍結の現状をお伝えいたしました。
卵巣組織凍結を実際に望まれる日本の患者数を算出し、それによって考えられる必要となる治療の拠点を考えるなど、
20年近く妊孕性温存に携わり、ライフワークとして続けてこられたからこその知見を元にお伝えしました。
ドイツから来日されたMarkus.Montag教授は、卵巣凍結における世界的な第一人者として知られています。
最新の卵巣凍結を実施した症例や論文、実際に考えられる妊娠する確率など、
様々な最新情報を実際に現場で手掛けるスペシャリストから共有され、ご参加いただいた方からの
感嘆の声も聞こえるほどでした。
そこからはディスカッションとなり、日本でも妊孕性温存について日々考えられている方々から
多くの質問が飛び交い、会場もヒートアップし、非常に良い意見交換がされました。
-海外と日本における妊孕性温存の現状について-
常に新しい知識と技術を学び、最適な治療を提供すること。
妊孕性温存であっても、一般的な不妊治療であっても、その想いは変わりません。
今後も、様々な医療機関、患者さまと関わり合い、よりよい治療を探求していきたいと思います。
妊孕性温存に関するご相談・ご質問はHOPEまでお願いします。
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