基礎知識

不妊症の治療方法について

ここでは不妊治療の技術的な部分を解説していきます。

男性不妊に比べ、女性因子が関係してくる不妊については、やや複雑になりがちです。

理由は目視での確認ができないため「推測」になるからです。

そんな中でも確立されている治療方法があるため、簡単に紹介していきます。

 

タイミング療法

タイミング療法はもっとも自然な方法とされており、排卵日を検査によって推測し、

その時期に合わせて性交渉を持つことによって確率を高めようという考え方です。

しかし、不妊症である場合、タイミング療法による妊娠率は2%ともいわれており、

より確実に妊娠を望むのであれば、ほかの手法も理解しておくべきといえます。

参照:タイミング療法について

 

人工授精

人工授精とは、運動良好精子を選りすぐり、受精の場へと送り届ける方法です。

わかりやすく言うと、本来膣内に射精し、子宮頚管を経て、子宮、卵管と進んでいきますが、

この膣内から子宮の部分をスキップしていくイメージです。

英語においては、配偶者間人工授精(Artificial Insemination by Husband)を略してAIHと表記することや

子宮内人工授精(intrauterine insemination)を略してIUIと表記することもあります。

参照:人工授精について

 

体外受精

体の外で精子と卵子を受精させて、受精卵を子宮内に戻す方法です。

これは人工授精のステップに加え、送り届けるところだけでなく、受精させるところまでを

培養器の上で行い、移植するというものです。

IVF=In Vitro Fertilizationと表記されます。

参照:体外受精について

 

顕微授精

本来は体外受精と同列で考えられるべきですが、体外受精の精子と卵子を受精させる部分を

ピペットを使い活動的な精子を卵子の中に直接注入して受精させる方法を指します。

ICSI:intracytoplasmic sperm injectionと表現されます。

体外受精と顕微授精のように直接的に精子や卵子の動きを助ける治療方法を

ART(Assisted Reproductive Technology)といいます。

一部の国や解釈によっては、Assistedではなく、Advancedと表現する場合もあります。

参考:顕微授精について

 

凍結融解胚移植

体外受精あるいは顕微授精を行い、受精卵を作り、受精卵を発育します。

一定のステージまで育つと「胚盤胞」と呼ばれることになるのですが、この状態で凍結することが技術上可能です。

なぜ凍結するかというと、二つの要因があり、

  • 移植の際には原則として一つの胚しか戻さないので、余剰の胚を次回以降活用することができるため
  • 採卵した直後は、卵巣刺激を行っている関係で子宮内膜環境がベストでないため

受精させるまでは卵が主役でしたが、無事に受精した後は子宮内膜が非常に重要です。

Frozen Embryo Transferを略してFETといわれます。

参照:凍結融解胚移植

 

まずは骨組みとなるメインの治療法を理解しましょう。

治療方法に加えて、治療計画をどう立てるかも重要になります。

 

 

妊活ノート編集部

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