基礎知識

子宮鏡検査

子宮鏡検査は、子宮内にできた子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮奇形や癒着の有無などを確認するために行われます。

従来は子宮腔の異常が歩かないかを調べるのには、子宮卵管造影などが推奨されてきましたが、

近年のヒステロファイバースコープの開発・発展によって、麻酔や頸管拡張なしでも子宮腔内を用意に検査できるようになりました。

これにより、比較的簡単に子宮腔に関連する異常についての検査は広く行われることになりました。

こうしたことから、医療関係者の中には、子宮鏡検査のことをヒステロということもしばしばみられます。

参考:子宮卵管造影検査

 

子宮鏡検査とは?具体的にはどのようなことを調べるのか?


この図のように、外径が約3ミリ程度の内視鏡(細い管の先にカメラがついたもの)を、

直接子宮腔に挿入して子宮を直視下に検査をする方法です。

この子宮鏡検査によってわかることは、

  • 内膜ポリープ

  • 子宮内膜増殖症

  • 子宮内膜異型増殖症

  • 粘膜下筋腫

  • 子宮中隔

  • 子宮腔癒着症

  • 子宮内異物

  • 子宮内膜癌

などがあります。

また調べる時期についてもいつでも良いというわけではありません。

子宮内膜が厚くなっていない状態での検査が良いとされるため、整理初日から数えて、

5-10日目の間で行うのがよいとされています。

 

子宮鏡検査で妊娠したってどういうこと?


とかくネットなどでみられる体験談に、子宮鏡検査したら妊娠したというような書き込みがみられますが、

大いに誤解があります。

子宮鏡検査を行う際には子宮内に生理食塩水を流し込んで、子宮内を膨らませながら観察することになります。

この際、希望があれば子宮と卵管をつなげて通水検査まで行ってくれる医療機関もあります。

原理的には、子宮卵管造影の治療的効果に近いものがありますが、

この通水検査によって、障害となっていたものが流されたりという意味で妊娠しやすくなることもあるというのが実情です。

 

子宮鏡検査でわかること


子宮鏡検査を行う前に超音波検査を行いますが、ほとんどの場合、子宮内には問題ありません。

また、子宮内に、子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫があると妊娠率が低下することで知られており、

大きな子宮粘膜下筋腫や子宮奇形があると、流産率が上昇することがあります。

子宮鏡検査では、ポリープや子宮筋腫などの異物や子宮形態異常の有無が分かります。

ただし、子宮の着床の能力が直接分かるものではありません。

着床能力を図るという意味では、子宮内膜受容能検査というものが注目を集めています。

参考:子宮内膜受容能検査とは

子宮内膜ポリープがあった場合は、手術を行うと妊娠率が向上します。

 

検査にかかる痛みについては、個人差がありますが、ほとんど感じないという声も多く、

費用的にも比較的安価に行えることで知られている子宮鏡検査。

不妊治療を始められる方でにとっての基礎検査の一つです。

 

妊活ノート編集部

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