女性の卵管因子の不妊である場合、適用される治療法の一つに
卵管鏡下卵管形成術(FT:Falloposcopic Tuboplasty)という手術法があるのをご存知でしょうか。
2017年1月時点では全国で70施設超での実施ができるとされており、
全体から見ると10%ほどの医療機関で実施されています。
参照:http://ft.terumo.co.jp/unit.html
いったいどのような治療方法なのでしょうか。
FTとは?どのような方が適応になるのか?
卵管鏡下卵管形成術(FT)とは、内視鏡治療の一つです。
適応となる方は主に、不妊検査の中で卵管因子を持つ方が対象となります。
卵管狭窄(きょうさく)、卵管閉塞(へいそく)などによって、精子が卵管内を通過できないという場合、
従来は体外受精の選択肢しかありませんでした。
年齢因子でなく、機能的な問題であるため、解消できれば高い妊娠率が望めるのですが、
従来は卵管性不妊=体外受精の適応という考え方でした。
しかし、近年技術の大幅な発展もあり、新たな選択肢として生まれたのがこのFTです。
具体的には
カテーテルと呼ばれる細い管を膣から子宮、そして卵管入口まで挿入し、
カテーテルに内蔵されたバルーンを卵管内で押し進めることで詰まった卵管を拡げる治療法です。
メスなどによる切開を行うことなくカテーテルを挿入するため身体への負担が少ないのはもちろん、治療時間も30分程なので外来での治療が可能です。
また、治療と同時に、内視鏡(卵管鏡)で卵管内の状態を確認することもできます。また、FTは保険が適応されています
参照元:http://ft.terumo.co.jp/about.html
とのことで、より具体的には、卵管の入り口に近い部分の狭窄および閉塞に対しての疎通性が高いとされており、
手術実施時の疎通率は90%以上ともいわれています。
実施時の年齢にもよりますが、35歳前であることを仮定して、卵管性不妊と特定されている場合、
FTによって卵管の疎通が取れれば、タイミング法での妊娠率は一般の方同様、2-30%まで回復すると考えられています。
FTを受けるにはどうすればよいのか?どんなメリットがあるのか?
まずは該当の医療機関にかかっていることが前提となりますが、
不妊の基礎的な検査を受け、子宮卵管造影にて卵管狭窄・卵管閉塞が確認されたのちの適応となります。
FTを受けることのメリットやポイントは
- 日帰りの手術で対応可能であり、身体的な負担が少ないこと
- 保険適応+高額療養費支給申請書の提出で経済的な負担も体外受精に比べ少ない
- 一般不妊治療での妊娠が可能になる※
※卵管性不妊のみが不妊要因の場合
ことではないでしょうか。
もちろん、治療行為であるため副作用についてもあるものと考えられますが、
【副作用】
・麻酔に伴う副作用は他の手術と同程度です。
・稀に腹腔内出血をおこし入院を必要とする可能性があります。
・術後に腹痛や少量の出血、発熱を伴う可能性があります。
監修:IVF大阪クリニック 院長 福田愛作 先生
参照:http://ft.terumo.co.jp/step.html
であるとされています。
選択肢を正しく理解し、より早く、より負担少なく終えられる妊活にしていきましょう。