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再掲:冬の冷えない体作りについて

昨日は東京でも10センチちかい積雪でした。

電力も逼迫しているので、なかなかエアコンも使いづらいところはありますが、

エアコンつけていてもとても冷える今日このごろですね。

 

最近、ご質問の多い、冷えについてのまとめを再掲します。

 

漢方相談では、

「足先が冷えるんです」

という声をよくいただくようになりました。

 

妊活中の方であれば、

「冷え性だと、妊娠しづらい」

という話を聞いた方は、多いのではないかと思います。

 

実際に、外部の妊活情報サイトでのアンケートなどでも、

「妊活の大敵は冷えだあることを知っているか」という質問には99%の方が「はい」と答え、

「冷えを感じているか」ということに対しては、91%の方が「はい」と答えているというニュースが先日ありました。

 

今回は、冷え性だとどうして妊娠しにくいのか、また、冷えに効果的な対策はどういったものがあるのか、中医学の観点からご紹介いたします。

 

冷え性だと妊娠しにくい理由


西洋医学で「冷え性だと妊娠しづらい」と認識されている理由には

・身体全体、特に子宮周りの血流が悪化

・子宮、卵巣の働きの低下

などがあります。

 

子宮周りの血流が悪いと、ホルモンの伝達がうまくいかないことで、

卵子の成長に影響が出たり、内膜が厚くなりにくいなどの症状が出やすくなったりします。

 

一方、中医学では、五臓六腑中医学において人間の内臓全体を表現するときに用いられる言葉で、「五臓」とは、肝・心・脾・肺・腎を指します)の

中の「腎」が生殖能力を司っていると考えます。

 

五臓六腑のの役割は、西洋医学での腎臓の働きに加えて

 

・人の成長

・生殖能力

・老化

に関わるとされ、妊娠に向けて、腎の力が充実していることがとても重要だと考えられています。

 

この腎は、とても寒さに弱いため、冷えることで腎の力が発揮できなくなると考えます。

 

腎の力が発揮できないと、生殖能力は低下し、老化も早まるので、妊娠に向けて冷えを避ける必要があります。

 

温めるだけでは逆効果になることも


現在、漢方外来に来てくださる方の中には、冷えを気にして、様々な対策をしてくださっている方がたくさんいらっしゃいます。

「カイロは貼っていいですか?」

とご質問を受けることも多いです。

カイロは、冷えている部分を温めるのには、とても効果的です。

例えば、腰が冷えている時に、腰に使うと心地いいですよね。

 

一方で、温めるために腰にカイロを貼ってのぼせたり、実は汗だくになったりしている方がいます。

温めすぎて、のぼせの症状が出たり、それを解消するために、不必要に汗を出したりしてしまうことは、身体の疲労につながります。

また、外からの発熱源に頼りすぎることで、自身の身体で熱を産む力を育むことができなくなっていきます。

これは、カイロだけでなく、ストーブや電気毛布などにも言えることです。

寒い日に、温まるまでストーブの前で過ごすのはいいのですが、ずっとその場から動けない、という生活をしていると、ますます冷えやすい身体になっていきます。

 

「冷えたら温める」は鉄則なのですが、温まった後は、外部からの熱に頼ずに、自分で熱を産めるようになることが大切です。

 

中医学で考える効果的な冷え対策


中医学の観点では、効果的な冷え対策は、人によって異なります。

中医学における体質で分類すると、

 

血虚体質(血が不足している方)

気虚体質(エネルギー不足の方)

陽虚体質(熱を産む力のない方)

気滞体質(ストレスが多い方)

などの体質によって、冷え方も、効果的な対策も異なるのです。

例えば、血虚体質(血が不足している)の方は、特に月経期間中に冷えやすく、

しっかりと血を作れる食事をすることで、改善しやすくなります。

 

気虚体質(エネルギー不足)の方には、筋トレのように、筋肉を増やす運動が効果的ですし、

気滞体質(ストレスが多い)の方は、有酸素運動を生活に取り入れることで冷え対策の効果が出やすいです。

 

どんな体質の方にも言えることは、「冷えていたら、温める」。

そして、温まったら自分で産んだ熱を閉じ込めるよう、工夫をしましょう。

首、手首、足首、足裏から熱は逃げていくので、この部分を塞ぐことが大切です。

ただし、実際は冷えていないのに、過度に温めてしまうと、身体の調子を悪くします。

 

冷えが身体によくないという情報に振り回されないようにすることが大切です。

 

熱がこもる体質の方は、ストーブなどでのぼせてしまうことがあります。

瘀血体質(血流が悪い方)は、冷えのぼせの症状が出ることが多いので、冷えている箇所は温めて、のぼせを解消できるよう熱を逃す必要があります。

 

ご自身の体質にあった冷え対策を取り入れて、

冬場の冷えない体づくり=妊娠しやすい身体作り

に役立てましょう。

 

漢方相談では、このような日常に取り入れられる生活習慣もご提案しています。

ご興味のある方はこちらでも漢方相談の概要をご案内をしていますので、よろしければご登録ください。

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妊活ノート編集部

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