年が明け、今年こそ妊活を始めようかな、なんて考える方も多いのではないでしょうか。
そういった方は年齢にもよりますが、まずはタイミング法、と考えると思いますので、
本日はタイミング法についてのまとめをお届けします。
①排卵日を予測して、
②そこに健康な精子を送り込むこと
で妊娠する確率を高めようというのが、タイミング法の基本的な考え方です。
それぞれ重要なポイントを簡単に紹介します。
①排卵日の予測
排卵日の予測には基礎体温、卵胞の大きさ、経管粘液の量、LHサージなどを組み合わせて総合的に判断することが必要です。
1)基礎体温とホルモンの関係
基礎体温は卵巣でのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を反映しています。排卵前にはプロゲステロンはほとんど分泌されていませんが、排卵すると卵巣に黄体ができてプロゲステロンが分泌されるようになります。このプロゲステロンに体が反応して体温が0.3~0.5度上昇します。これが、基礎体温が低温期と高温期の2相性を示す理由です。
基礎体温をはかるときは婦人体温計を使い、朝目が覚めたら、布団から出るまでに「舌下」ではかります
つけ方は月経が始まった日を月経周期1日目とし、月経開始日から次の月経が始まる前の日までを1周期とします。
基礎体温と排卵日の関係は大きく分けて以下の3つのタイプがあり、基礎体温だけで排卵日を特定するのは困難です。
- 基礎体温があがる2~3日前に排卵する
- 低温相の最終日に排卵する
- 基礎体温があがってから排卵する
また、最近の報告では排卵日の2日前が一番妊娠率が高いとも言われているので、
排卵日当日にこだわる必要性はそこまでないかもしれません。
また、基礎体温を計るということに大きなストレスを感じてしまう人もいますので、
当院では必須としておりません。
ただ、東日本大震災の際に、一定時間、電子媒体が使えなくなりましたが、
その際には基礎体温の記録で本人の身体の状態を把握することに非常に役立ったといいます。
なので、ストレスを強く感じないのであれば、ぜひつけていただきたいですね。
2)卵胞の大きさ
卵胞の大きさを超音波検査で確認し、排卵日を予測します。
卵胞は排卵が近づくにつれて大きくなり、20mm前後になると排卵が起こるとされています。
3)頸管粘液の変化
排卵が近づくと頸管粘液に変化が現れます。
粘り気が低下して、伸びやすさが増し、色は無色透明になり、量も増加します。
これにより精子が侵入しやすい状況となります。
こうした変化はセルフケアで確認いただけるポイントなので重要ですね。
4)LHサージを確認
排卵を起こすために分泌されるLHというホルモンがあります。
このホルモンは急激に上昇して、ピークに到達し、その後速やかに低下します。
その動きから、LHサージと呼ばれます。
LHサージの24-36時間後に排卵が起こると考えられており、尿検査で調べられる市販キットが販売されていますので、チェックしてみると良いでしょう。
ただし、このキットが万能というわけではなく、LHも排卵以外の時に変動してしまうこともありますし、LHサージは6時間以内と言われているので、検出がうまくできないこともあります。
②精子の健康を心がけること
精子はとてもデリケートであり、日々数値が大きく変動していることも知られています。
慢性的に数値が下がる原因としては、生活習慣や精索静脈瘤が考えられます。
また、精子は溜めておくことで酸化ストレスが上昇することも知られており、できる限り頻繁に射出した方が良いと言われています。
もちろん何かしらかの理由で、性交渉が持ちにくい方も多くいらっしゃるので、
無理にとは言わないですが、セルフケア的な観点では、タイミングを意識しながらも、過度に意識せず、日常的に仲良くできる機会が増えると良いのではないでしょうか。