コラム

ママがもうこの世界にいなくても

今日は最近読んだ書籍の紹介をしたいと思います。

ママがもうこの世界にいなくても、という本で、遠藤和さんという方が書かれた命の日記です。

 

遠藤さんは21歳で大腸がんStageⅣ宣告を受け、統計的には余命3年などと言われる中で、

パートナーの方と生きるために戦い続け、結婚、妊娠、出産をされました。

その後も諦めることなく、最後まで生きるために治療を続けていかれました。

 

日記ですので、とても主観的な記録です。

だがしかし、いや、だからこそ、より強く訴えかけてくるものを感じます。

例えば、ある日はとても感謝をしている描写があったかと思えば、その翌日にはとても険悪な気持ちが綴られていたり、振り幅の大きさが際立っているように感じました。

 

がん、という言葉の重たさは想像を絶するものであると思いますし、がん治療の副作用によるダメージは想像することもできないほどだと思います。

その中で日常の幸せを見つけ、希望に向かっていこうとする気持ちとがぶつかり続け、こうしたエネルギーになるのだろうと感じました。

 

文中、和さんは青森のクリニックで妊孕性温存目的で卵子凍結を実施されている描写が出ています。自己注射の怖さ、採卵の痛さはとてもリアルな描写だと感じました。

今は注射の針の細さ、長さも変わっていると思いますが、患者さんが感じる怖さはやはり医療者サイドが想像している以上にあるのだと思います。

 

妊孕性温存治療は「利用率」がどうなのか、という疑問を呈されることもありますが、がんと戦う患者さんにとって、必ずしも利用することだけが価値なのかといえばそうではないと思います。妊孕性温存をしたことが「希望」になり、先々の治療もがんばれた、という方が何人もいらっしゃいます。

(もちろん、エビデンスベースの考え方ではそれではだめなのでしょうけど。)

 

がん治療のこと、がん患者さんのお気持ち、家族の大変さ、色々なことが綴られていますが、帯にも書かれているように、和さんとご家族の優しさと強さが大切なことを教えてくれたような気がしています。

 

遠藤さんのご冥福を心からお祈りすると共に、感じた想いをこれからの方々につないでいきたいと思います。

 

妊活ノート編集部

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