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非配偶者間体外受精(精子提供・卵子提供)の実施について

当院はJISARTに所属しているため、厳しい条件を満たす方であれば、

精子や卵子の提供を受けて、治療を行うことができます。

本件に関するお問い合わせは以下からお願いいたします

 

精子提供を受けての体外受精


精子提供を受けて体外受精を行う場合には、少なくとも被提供者(レシピエント)は無精子症という状態であることが想定されます。

医学的にどうしても精子が得られない状態であり、提供を受ける以外にお子さんを得る方法がないということです。

先天性の方もいらっしゃいますし、たとえば若くしてがんに罹患され、抗がん剤などの治療の副作用によって、精子が失われた方なども含まれます。

提供者に関しては、感染症の検査に加え、遺伝的な検査を受けていただくことが必須であり、年齢は現時点で55歳未満と定義されています。

 

卵子提供を受けての体外受精


卵子の提供を受けての体外受精を行うことで、妊娠率が高まることは世界的にも知られている事実であり、

日本においても、女性の加齢による妊娠率の低下のデータを見ても明らかと考えられます。

 

自分の卵子はもう得られない、という診断がなされていることが求められますが、特に注意が必要であるのは、

現時点のガイドラインではレシピエント本人の加齢による不妊では卵子提供を受けることが認められないということです。

提供者が高齢になれば、妊娠率は低下するため、提供者への制限も精子提供に比べて強くなりますし、例えば採卵は3回までなどの制限も見られます。

卵子1個あたりの妊娠率は5%程度と言われており、決して高くはないので、最終的には提供者、被提供者の診察をしてみないとわからないことも多々あります。

 

生まれたお子さんの立場


精子又は卵子の提供による体外受精によって生まれた子の民法上の親子関係の位置づけについては、令和2年12月に制定された『生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律』により、私の提供した卵子で出生した子の母は被提供者夫婦の妻になり、また、被提供者夫婦の夫が子の父となります。

 

出自を知る権利


出自を知る権利には様々な規定が設けられています。

  • 卵子提供による生殖補助医療により生まれた子には、自分の出自(血縁上の母である提供者に関する事項)を知る権利が認められます。
  • 提供された卵子による生殖補助医療により生まれた子が出自を知る権利を行使するために、親が子に対して当該子が提供された卵子による生殖補助医療により生まれた子であることを告知することが必要です。
  •  提供された卵子による生殖補助医療により生まれた子であって、15歳以上の者は、卵子の提供者に関する情報のうち、開示を受けたい情報について、氏名、住所等、提供者を特定できる内容を含め、その開示を実施医療施設に対して請求することができ、実施医療施設は子からかかる請求があった場合には、子に対してこれを開示します
  • 子が卵子の提供による体外受精によって生まれた子である旨を当該子に告知すること及び提供者に関する情報を子に開示することによって子の精神状態等に影響する可能性があります。
  • 生まれた子の福祉、及び、提供者の子の福祉を考慮し、提供者の子は生まれた子と、遺伝的に「母親の遺伝的因子を共有する兄弟姉妹」となるので、提供者の子にも告知する必要があります。告知の方法としては、提供者夫婦がその子に対して、幼少期かつ早期に、可能な限り、提供者夫婦および被提供者夫婦の十分な連携のもとに告知することが望まれます。現在提供者に子がいない場合でも、子どもが生まれたら告知することが望まれます。
  •  提供された卵子による生殖補助医療により生まれた子であって、15歳以上の者は、自己が結婚を希望した場合に近親婚とならないことの確認を実施医療施設に対して求めることができます。同様に、提供者の子も近親婚とならないことの確認を生まれた子の実施医療施設に対して求めることができます。
  • 提供者が独身である場合、将来の結婚(再婚を含みます)に際しては、配偶者に対して、提供の事実を告知することが望まれます。

などの情報です。

これらは、法律で強制力をもって行うものではなく、被提供者ご夫婦、提供者ご夫婦、医療機関やJISART、うまれてくるお子さん、提供者の方のお子さんを含めて、連続的に信頼関係を保ち、協力して関係者の幸福や福祉を守るために関わり合っていく必要があります。

そのため、以下の例に示しますように、事前の熟慮期間や長期のフォローアップ期間も含めて、お互いに信頼関係を築けるかどうかも見定めながら、

治療を進めていく必要があります。

 

実際の進み方の例


実際に進むイメージは以下のようなものです。

事前検査

あなたの健康と安全を守るため、事前検査を受けていただきます。検査項目は、通常の婦人科所見(ホルモン検査、超音波検査など)、ABO・Rh式血液型、血清反応、(梅毒、B型肝炎ウイルスs抗原、C型肝炎ウイルス抗体、HIV抗体、クラミジア抗体)などです。事前検査の結果によっては、卵子提供を断念していただくこともあります。

インフォームドコンセント

定められた項目について、被提供者夫婦、提供者夫婦がそれぞれ医師やスタッフ、カウンセラーから十分な説明を受け、3ヶ月間の熟慮期間を経てご夫婦そろってそれぞれの自由意思の元で同意・署名を行っていただきます。

倫理委員会

実施の適否や留意点の審査等を細かく行います。実施にあたっては、様々な分野の専門家が倫理委員として参加しており、単に医学的な目線だけでなく、お子さんの福祉のことなども含めて、多面的な審査を行います(当院の場合はJISARTの倫理委員会に委託しています)

再・感染症検査

倫理委員会の承認後、原則として、採卵して6ヶ月以降に、再度感染症検査(B型肝炎ウイルスs抗原、C型肝炎ウイルス抗体、HIV抗体)を受けていただきます。感染症の中には、そのウイルスに感染されていても(抗体を持っていても)、感染後6ヶ月間、検査結果で陰性となる(Window Period)場合があるためです。このような理由で、採卵を行った日から6ヶ月の期間をあけて再度検査をうけていただき、採取された卵子が感染症におかされていないということを確認する必要があります。

 

ここまでが事前準備となり、全てが揃えば、採卵-胚移植という風に進んでいきます。

こうして記載をしてしまうと非常に簡易に見えてしまうかと思いますが、実際には非常に狭き門でもありますし、

患者さんご自身もよくよく検討された上で、熟慮期間の後に断念されるという方も多くおられます。

 

この治療の是非は社会的な捉え方によって、今後も意味合いを変えてくるものと思いますので、

あくまで現時点での取り決め(2021年12月時点)とご理解ください。

 

本治療に関するお問い合わせは以下からお願いいたします。

https://ivf-kyono.com/contact/inquiry/

妊活ノート編集部

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