ホルモンについて学ぶとき、大切なのが性腺ホルモンです。
下垂体ホルモンの影響を受けて、分泌される性腺ホルモンについて解説していきます。
女性ホルモン:エストロゲン(E2 イーツー)
卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲン(E2 イーツー)は卵胞の中にあり卵子を取り囲む「顆粒膜細胞」が産生分泌しています。
正式名称は、エストラジオールと呼ばれ、生殖器の発育、卵胞成熟の指標となり、子宮内膜の肥厚にも関連してきます。
排卵時の成熟卵胞はおよそ200~pg/mlのE2を分泌します。卵胞が複数あれば、その個数の分だけ掛け算した値となります。
この基準値を下回る場合には、未成熟排卵である可能性が考えられますし、卵巣刺激を行うことでE2は高値となりますが、
3000を超えると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まります。
また、月経時に測定した基礎値が100を超える場合には、黄体化非破裂卵胞が疑われます。
標準的な値は?
卵胞期には25~195、排卵期には66~411、黄体期には40~261、閉経期には10~40となります。
グラフに直すと二こぶラクダのような状態になります。
測定する時期は?
性周期によって変動します。
高いとどうなる?
妊娠時高くなるほか、排卵誘発剤を使用したことによる卵巣過剰刺激症候群の可能性もあります。
低いとどうなる?
卵巣機能不全や下垂体機能低下症などの可能性があります。
女性ホルモン:プロゲステロン(P4 ピーフォー)
排卵後の卵胞には「黄体」が形成され、黄体ホルモンが分泌されます。
この黄体ホルモンがプロゲステロン(P4)を指します。
プロゲステロンは、子宮内膜に作用し着床の準備を整え、体温を高温期に移行させ妊娠の維持には不可欠なホルモンです。
黄体は妊娠が成立したには妊娠黄体と呼ばれ、P4の分泌を続けますが、着床(妊娠成立)しなかったときは
おおよそ2週間程度で低下することで月経が起こります。
標準的な値は?
卵胞期には0.2~1.5となり、排卵期には0.8~3.0となり、
黄体期には1.7~27.0となり、閉経期には0.1~0.8(ng/ml)となります。
グラフに直すと右肩上がりのような状態になります。
測定する時期は?
性周期によって変動します。
高いとどうなる?
妊娠時高くなるほか、排卵誘発剤を使用したことによる卵巣過剰刺激症候群の可能性もあります。
低いとどうなる?
黄体機能不全が疑われます。
いかがでしたでしょうか。
下垂体ホルモンと性腺ホルモンは関係性が深いため、整理しながら学んでいくと良いと思います。
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