妊活を始めるときに、最も始めに手を付けるのが「基礎体温の管理」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、基礎体温に振り回される方が多くいらっしゃいます。
基礎体温はバロメーターの一つであるため、ポイントを簡単にまとめていきます。
基礎体温とは?
基礎体温とは、朝目覚めた後、からだを動かす前の安静な状態での体温のことを指します。
大きく低温期と高温期に分かれて推移しますが、その体温は排卵や月経と関係しています。
そのため、毎日履歴を付けることによって、基礎体温測定によって妊娠しやすい時期がわかるのではないかということです。
これをセルフで行い、タイミングを計ろうとするものが自己タイミング法といわれるものです。
基礎体温の理想曲線は?そうでないグラフはどうなるの?
理想的な基礎体温は低温相、高温相が明確に分かれ、二相を描きます。
低温相と高温相は0.3℃以上差があるのがよいとされています。
これはホルモン分泌とも、そして排卵とも関係しています。
そのため血液検査などによって、このホルモン値を測定することによって、
排卵時期を確認していこうと考えるわけです。
問題はこのように規則正しくいかない場合ですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。
①黄体機能不全の場合
高温相は10日以上持続することが望ましいとされているのですが、それが9日以下の場合は黄体機能不全を疑うのが通常です。
また月経後も高温が続いてしまうという場合には、子宮内膜症についても疑われます。
②無排卵周期
1相性で低温相のみであり、高温相がみられないまま月経が来る場合は無排卵周期が疑われます。
排卵障害の可能性があるため、注意が必要で、基礎体温の上下が大きく、月経周期もバラバラのことが多いとされます。
③妊娠している場合の基礎体温
高温相が3週間以上続いたら妊娠の可能性があると言われます。
ただし、黄体ホルモンの内服薬(プラノバール、ルトラール)、
注射(プロゲデポー)をしている場合は、薬の作用で高温相が長めになるため注意が必要です。
基礎体温を付ける意味がない?って本当?
基礎体温が、異常な場合には基礎体温を付けていることで判明し、対策も可能となります。
当院では東日本大震災の経験からも、基礎体温のようにアナログなものも、とても価値があると思っています。
一方で、基礎体温を測っているから妊娠できた、ということがあるのか?と疑問を呈する医師も少なくないのが実情です。
(実際に昔の方々は基礎体温などつけずに妊娠していますので)
基礎体温がわからなければ妊娠できない、ということは実際に言えませんし、
基礎体温以外でも、例えば排卵障害である可能性を見つけることもできます。
なので、基礎体温を測ることが過剰なストレスになるようであるなら、極端な話では基礎体温チェックが不必要とも考えられます。
しかし、妊活や不妊治療にストレスはつきものですし、不妊治療までいくとより大きなストレスがかかることも考えられます。
基礎体温によって受けるストレスとうまく付き合えるような解消を見つけたほうが建設的かもしれませんね。