本日、不妊カウンセリング学会が開催されています。
今回は大会長が、アキュラ鍼灸院の徐先生であることもあり、
鍼灸治療に関する発表や研究も多く報告されています。
当院が関係しているものとしては、
徐大兼先生「不妊カップルを支える鍼灸の役割」
外石晶子先生「院内スタッフとの連携について」
そして、当院の看護師の野中幸子が
「当院で鍼灸治療を受けられた方の調査報告」
を発表いたします。
当院で鍼灸治療を受けられた方の調査報告
生殖補助医療の基本的な考え方は西洋医療的な発想です。
しかし、近年東洋医療を取り込んだ統合医療的な発想がなされるようになってきました。
この動きは、日本だけでなく、世界でも盛んに行われるようになってきており、
とりわけ、子宮内膜の環境と血流は緊密に関係があり、血流改善を促す鍼灸治療はポピュラーな治療法の一つです。
当院では、全身を対象にした鍼灸治療を行う不妊鍼灸と、子宮内膜環境を整えることを目的とした移植サポートを実施しています。
今回の調査は、2018年3月から7月までに鍼灸治療を実施した43名を対象に行いました。
年齢、不妊原因、治療の状況や鍼灸治療後の転帰などについて検討しました。
検討結果として、
・43名の治療の内訳は93%(40/43)がART治療を実施している
・女性患者の平均年齢は40歳
・最も多い不妊原因は卵巣因子で72.5%
・これまで移植した回数が3回以上の方が48.6%(17/35)
・鍼灸治療後の妊娠率は54.3%(19/35)
という結果が得られました。
特筆すべき点としては、反復不成功例の方が多くみられた中で、
妊娠率が高率であったことではないかと考察をしています。
鍼灸治療を受けられる方は、妊娠するために考えられる手段を数多く講じられている方が多くいらっしゃいますので、
鍼灸治療単独の効果かどうかはこの研究ではわかりませんが、ポジティブな結果と捉えています。
また、鍼灸を受けられた方のお声としては
・リラックスできた
・身体がポカポカしてきもちよかった
・施術中から全身の血流が良くなっていることを実感できた
などのお声が寄せられています。
不妊治療を行っている方は、すでに様々な努力をしつくし、疲れている方も多くいらっしゃいます。
そのため、直接的な効果はともかく、少しリラックスしたいというくらいの軽いお気持ちでもご利用いただければと思います。