ここ数十年の歴史の中で、年々精子の質は低下していると考えられています。
様々な要因が推測されますが、そのうちの大きな一つがライフスタイルの変化といわれます。
ライフスタイルの中には、
運動
食事
などがありますが、今回は仕事について取り上げている論文を紹介します。
デスクワークが精子の質を低下させる可能性
今回紹介するのは以下の論文です。
The impact of sedentary work on sperm nuclear DNA integrity.
Gill K et al.,
Folia Histochem Cytobiol. 2019 Mar 14.
精子は熱に弱いことで知られていますが、座位(座っている)というだけで、陰嚢の温度は上昇すると考えられています。
そのため、長時間のデスクワークは精子の質を低下させるのではないかということです。
今回の検証では、勤務時間の50%以上(週17.5時間以上)をデスクワークをして過ごした男性(n = 152)と
デスクワークが勤務時間の50%未満を過ごした男性(n = 102)の精子の質について調査しました。
標準精液の特徴はWHO 2010の勧告に従って評価され、精子核DNA断片化(SDF)はHalospermテストを用いて評価されました。
精子のDNA断片化率にのみ有意差が確認されました。(21.00%対 16.50%)
半分以上がデスクワークという方は精子DNA断片化率が正常である割合は約半分(OR:0.4648)で、不良の割合は2倍以上(OR:2.2381)であることもわかりました。
以前から1時間に1度は立った方が良いであるとか、様々な対策が言われていますが、
長時間座り続けることは精子にとって負担があるようです。
乏精子症であったり、男性不妊症の疑いがある場合には、生活習慣から気を付けたいものですね。
これまで、男性のライフスタイルでは以下のようなものが良くみられていますので、参考にしてみてください。