昨今、働き方改革がいろいろなところで叫ばれています。
医療の領域もかなり過酷な働き方で知られていますが、その代表的な一つが
「夜勤」などのローテーション勤務です。
今回は、こうしたローテーション勤務が早発閉経と関連しているかどうかについて調べた研究を紹介します。
働き方と早発閉経リスクについて
今回紹介するのは以下の論文です。
Rotating night shift work and menopausal age
D Stock et al.,
Human Reproduction 12 February 2019 dey390,
これはアメリカで行われたNHS2(Nurse’s Health Study2) の一環で、
1991年から2013年までの22年間の追跡調査にて、夜勤経験者とそうでない方の早発閉経のリスク等について検討したという内容です。
それによると、27,456人の女性(34%)が自然閉経に達しており、詳細を比較すると
過去2年間に20カ月以上の夜勤を経験している女性は経験していない女性と比較して1.09倍早発閉経リスクが高かった
累積での夜勤経験が10年以上に及ぶ方はそうでない方と比べて45歳未満での閉経リスクが高く、
とりわけ45歳未満の場合はリスク比が1.25倍と高くなった。
ということが判っています。
もちろん後方視的な研究であるため、すべてがこれで間違いないと言えるわけではありませんが、
長期かつ大規模な研究であるため、信頼度は高いのではないかと思います。
ここでは夜勤の有無、ということだけを見ていますが、これが働き方という現在の日本のものとつなげると、
残業であったり、職場内でのストレスなど様々な因子が出てくると思います。
全体を通じて45歳未満の方の夜勤勤務による早発閉経リスクの高さが指摘をされており、
やはり健康的な働き、基礎的な食事、運動、睡眠などがいかに重要かということが判ります。
もちろん、女性自身が自由に選択し、多様性を持った社会になることは大切なことですが、
こうした健康リスクを本人も上司も会社も全員が理解をして、
職業柄致し方ないということで済ませずに、働き方≒生き方の満足度が高まるようにしていけるとよいと思います。