PCOSへの治療は様々に行われています。
一般的には排卵障害であることが多いために、
排卵誘発剤を用いた治療から、当院でのIVMのようなものまで多岐にわたります。
今回は排卵誘発剤におけるベストチョイスを検討するために行われた研究について紹介したいと思います。
レトロゾール×クロミフェン vs.レトロゾール単独の比較
今回紹介するのは以下の論文です。
A randomized controlled trial of combination letrozole and clomiphene citrate or letrozole alone for ovulation induction in women with polycystic ovary syndrome
Rachel B. Mejia
fertnster-t.2018.11.030
この研究では、18-40歳の70名のPCOSが不妊原因と診断されている患者を対象に行われました。
毎日2.5 mgのレトロゾール単独または2.5 mgのレトロゾールと50 mgのCCの組み合わせのいずれかに無作為化されました。
検討の結果、レトロゾールとCCの併用を受けた女性は、レトロゾールを単独で受けた女性と比較して統計的に高い排卵率を示しました
(35人中27人の女性[77%]対35人中15人の女性[43%])。
いずれの群においても、重篤な有害事象または多胎妊娠はありませんでした。
ここでの検証は排卵率、というところで終了しています。
その後の妊娠、出産までを含めたコホート研究が今後必要となるように思います。
また、排卵をゴールとした場合にはこのチョイスもあると思いますが、
患者さんの経済的な負担なども考慮すると、すべてがレトロゾールを使用するというわけにも
日本の場合はいかないように思われます。
正しい情報を患者さんと共有し、患者さん自身が決定できるようにしていければと思います。