2018年12月8日付ではありますが、当院(仙台院・高輪院)は日本産科婦人科学会認定の着床前診断実施施設となりましたので、
ご報告いたします。
ここでいう着床前診断(PGT-M&SR)は、着床前スクリーニングとは異なりますので、
改めてその違いと、今後の流れについてお知らせできればと思います。
着床前診断と着床前スクリーニングの違い
人の妊娠率は100%ではありません。
遺伝子に異常がなく、健康な精子と健康な卵子で受精をしたとしても、
発育がうまくいかなかったり、その結果流産になってしまったりします。
この多くは、染色体の数の異常と考えられていて、それらを確認し検査するのが着床前スクリーニングです。
これは遺伝的な異常があるかどうかではなくて、誰にでも起こりうるもので、加齢の影響によっても増加すると考えられています。
一方で、着床前診断は遺伝的な疾患と習慣性流産に適応となるもので、
遺伝的な異常を原因と考えます。
PGT-M:医学的に重い遺伝性の病気が子どもに伝わる可能性がある方
└デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD).筋強直性ジストロフィー
Leigh脳症.副腎白質ジストロフィーオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症など
PGT-SR:ご夫婦の染色体の形の変化が原因で2回以上流産を繰り返している方
の方々へ実施する検査が着床前診断です。
着床前診断の実施の流れ
検査の流れは以下のようになります
事前診断とカウンセリング
1)医師による検査・診察を行います。
2)専門遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングを受けていただきます
3)公平な視点での判断が必要であるため、第三者機関の専門家による遺伝カウンセリングを受けていただきます
ここまでの結果と患者さんの同意を踏まえて、私たちの病院内での倫理審査委員会への申請を行い承認されれば、
PGT-SRは実施可能となります。PGT-Mの場合は日本産科婦人科学会の倫理審査委員会への申請を行います。
その結果、承認が得られてから治療を開始することになります。
PGT-Mの場合、所要期間として半年から1年程度かかることも考えられます。
体外受精・着床前診断の実施
4)卵巣刺激を行い、採卵を行い、体外受精・顕微授精を実施します。
5)得られた胚盤胞の細胞の一部を検査用に採取します
6)共同研究機関で、遺伝学的な検査を行います
事後説明・カウンセリングおよび胚移植
8)検査結果は医師より情報提供し遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングを受けていただきます
9)原則、検査で異常が見つからなかった胚を、患者さんの同意の元で移植します
遺伝的な検査を行うということは様々な情報に触れることになります。
知りたくなかったことも含めてわかってしまうこともありますので、何重にもして、
専門家のケアの元治療を受けていくことが最低条件となります。
ご興味がございます方は医師やスタッフまでお声がけください。