わかりやすく言えば、性行為感染症(いわゆる性病)として認識されているクラミジアですが、
実は不妊症との関係性が極めて強いことは意外と知られていません。
クラミジアとは、不妊との関係、検査方法や対応方法について解説していきます。
クラミジアとは
クラミジアには、性行為感染症の1種で、性交渉により性器感染を起こします。
感染すると、女性の場合、卵管炎を起こし、卵管采周囲癒着、卵管閉塞となる原因になります。
つまり卵管性不妊の要因となります。
男性の場合には尿道炎を起こすことがあります。
妊娠中のクラミジア感染は、分娩時に胎児感染して、クラミジア肺炎やクラミジア結膜炎の原因となることがあるため注意が必要です。
性行為感染症であるため、告白することがはばかられる一面もありますが、百害あって一利なしですし、
場合によっては非常に危険な状態へつながるため、勇気をもってパートナーに伝えなければいけません。
どのようにして感染するのか?
クラミジアは基本的には性交渉で感染します。このため、ご夫婦のうちのどちらかが感染している場合、パートナーも検査・治療を行う必要があります。
ただし、いつ感染したのか、どちらが感染元なのかは分かりません。
一般に性行為という言葉を聞くと、ついつい性器を使った性行為をイメージしてしまうことがありますが
ここでいわれる性行為には、オーラルセックスや性器具をつかった性行為、
さらには一見ソフトな接触にも思えますが「キス」も性行為にはふくまれるとされています。
最近の報告では、18歳から19歳の女性の10人に3人がクラミジアに感染していると言われ、20代では20人に3人の割合となります。
女性の感染者の5人に4人までが自覚症状がないために不妊となって検査をして初めて気が付くということも少なくありません。
検査方法は?対策は?
女性の場合は抗体検査(採血)・抗原検査(内診・おりもの検査)にて検査をし、
男性の場合には抗原検査(尿検査)を行います。
抗体検査は、感染した形跡(痕跡)があるかどうか、抗原検査は、クラミジアの病原体そのものの存在の有無を調べる検査です。
女性の抗体検査が陽性の場合、女性の抗原検査や男性の検査を考慮します。
ただ、クラミジアであることが発見された場合には抗生剤の内服にて治療可能です。
一般には、ジスロマック、ビブラマイシン、クラリシッド、ミノマイシンなどが処方されると思いますが、
クラミジアに関しては、先述の通り自覚症状が乏しいため、まずは医師や専門家の診断を受けたうえで、処方を受けることが求められます。