妊孕性温存について考える

AMHを知ることで卵巣組織の卵胞密度やIVM採卵数の予測につながる

最新の妊孕性温存について考えるシリーズです。

不妊治療でも頻繁に使用する指標の一つがAMHです。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)について

AMHは唯一無二の指標というわけではありませんが、

とても大切な指標であることは間違いないと思います。

今回はそのAMHと卵巣組織の卵胞密度やIVM実施時の予測採卵数との関連性について発表している論文を紹介します。

 

AMHを知ることで卵巣組織の卵胞密度やIVM採卵数の予測につながる


以下の論文を紹介します。

Serum antimüllerian hormone is associated with the number of oocytes matured in vitro and with primordial follicle density in candidates for fertility preservation

Nathalie Sermondade et al.,

Fertility and Sterility

この論文では、AMHとAFC(胞状卵胞数)が、卵巣組織内の卵胞密度を予測するのに使用できないかを検討しています。

2013年7月から2016年12月までのIVM後の卵巣凍結を実施した18-35歳の54名の患者を対象としました。

単変量解析では、AMHまたはAFCと卵胞密度は相関関係を示しました。

多変量解析を行ったところ、AMHと卵胞密度に相関関係が見られました。

AMHはIVMで得られる卵子の数とも関係していたとしています。

 

当院では、あらゆる妊孕性温存を希望される場合でも、初期の検査として感染症の検査並びにAMH検査を実施しています。

そのうえで、卵巣組織凍結を希望され、当院へ2時間以内の搬入が可能な場合には、IVMを実施した後で、卵巣組織凍結を実施しています。

AMHを事前に知ることで、卵巣摘出の方法を検討したり、IVMにおいて予測することはしばしばありますが、

必ずしもそれだけで見るわけではありませんし、患者さんの中にはPCOSの方や、年齢の割に極端にAMHが低い方、

化学療法などを実施した後の方など様々な方がいるため、検証は必要だと思いますが、

基本的な項目としてAMHを抑えておくことは大切ではないでしょうか。

 

こうした新しい研究がどんどん出てくることで、患者さんがより多くの選択肢の中から、

納得のいく決断ができるようになると信じています。

妊活ノート編集部

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