注目情報

精液チェックアプリに期待される役割

最近では男性の不妊治療への参加も徐々に増えてきており、

さらにそうした動きを進めていくために、日本でも精液チェックのアプリは増えてきているように思います。

 

当院では特に導入をしているものはありませんが、

以下のようなものが日本ではあるのではないでしょうか。

外部リンク:TENGAメンズルーペ

外部リンク:seem

外部リンク:バディチェック

今回、海外の発表で、こうしたアプリに関するものがありましたので共有できればと思います。

 

精液チェックアプリは精液検査を代替するものではない


今回紹介するのは以下の内容です。

A semen analysis phone app does not replace laboratory testing

Erma Z. Drobnis et al,.

Fertility and Sterility

直訳すると、精液チェックアプリは精液検査を代替するものではないということです。

実際に現在の精液検査は、高度な機械を用いて、厳格なWHOの基準の元に従い、

管理された運用体制にて検査がされていますが、当然と言えば当然のことです。

もともと精液検査は、一回ごとのボラティリティ(ばらつき)が大きいことでしられており、

検査結果と妊孕性を結び付けていくのには、長年の研究がありました。

精液チェックアプリでは、そうした中で導き出された指標の一部を使用しているだけで、

すべてを使うわけではないので、正確ではないという点を指摘しています。

 

一方で、不妊治療において、男性の治療への早期かつ積極的な参加が重要で、

それがいかに難しいことかということにも触れています。

男性がこうしたアプリをきっかけにして、治療への理解やサポートすることができるようになれば、

女性の治療もよりスムーズにできますし、男性不妊かも!?という危険信号を早めに知って、

早く医療機関にかかることになれば、その期間の分だけ妊娠する可能性は高まります。

(男性不妊の治療後の妊娠率は高い傾向があり、それは女性の年齢が若いこととも関係していると考えられているため)

 

性教育に対しての姿勢やリテラシーが高まるのはとても良いことだと思います。

きっかけとして活用してもらい、本来的な検査は今の時点では医療機関で行うのが良いということではないでしょうか。

 

妊活ノート編集部

妊活ノート編集部

投稿者の記事一覧

妊活ノート編集部です。医療現場での当たり前を、より分かりやすい情報としてお届けします。正しい知識を得ることで、一日でも早い治療卒業のサポートをしたいと考えています。

関連記事

  1. ERA(子宮内膜受容能検査)の当院における研究
  2. Th1/Th2と妊娠・出産について
  3. 閉鎖型デバイスを用いた新たな凍結保存法
  4. 2細胞期から3細胞期への分割時間と胚発生に関する検討
  5. 男性の精子の質と地中海食の関係について
  6. PGT-Aの必要性とカウンセリングについて
  7. 黄体ホルモン製剤を活用した新しい調節卵巣刺激法について
  8. 不妊症の男性の併存症治療の影響について

ピックアップ記事

こちらも注目

PAGE TOP