基礎知識

生殖医療によって生まれた子どもの胎内での発育と出生時の体重について

最近の生殖医療のニュースの中には、様々な技術的なものがありますが、

それ以上に多く入ってくるのが、出産した子供のその後という点についてです。

人工授精、体外受精、顕微授精の比較について紹介したいと思います。

 

生殖補助医療によって生まれた児の出生時の体重について


今回紹介するのは以下の論文です。

Singleton fetal growth kinetics depend on the mode of conception

Perrine Ginod et al.,

Fertility and Stelirity,November 2018Volume 110, Issue 6, Pages 1109–1117.e2

この研究は後方視的研究で、大学で行われた合計560の単胎出産の方を対象に行われました。

内訳として、

体外受精周期:96周期

顕微授精周期:210周期

人工授精:133周期

凍結融解胚移植周期:121周期

これらの妊娠後、出産に至るまでの発育過程と出生時の体重を観察したものです。

 

妊娠初期のタイミングから妊娠11週から13週の間、21週から23週の間、31週から33週の間の合計3度にわたって、

超音波検査などによって胎児の大きさを観察しました。

 

それらの結果を解析すると、自然妊娠と比較すると、すべての群において、大きさの差は認められ、

特にFETでは31-33週の際に大きさに有意差が見出されましたが、出生時などについては、差は認められませんでした。

凍結技術の影響か、ホルモン補充等による子宮内環境の変化によるものかは定かではありません。

 

長期的なフォローアップについては、当院でも数々の報告をしています。

第20回日本IVF学会学術集会 森本賞受賞

本当の意味での安全性はまだまだ先にならないとわからないかもしれませんが、

現時点では、生まれてきた子供の先天異常などの差は、自然妊娠との間には認められていない、というのが結論ではないでしょうか。

 

 

 

妊活ノート編集部

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