コラム

生殖補助医療のその先の治療について

現在、Fertility and Sterlityでは卵子提供について、様々な記事を掲載しています。

Oocyte donation: lessons from the past, directions for the future

というタイトルで始まります。

過去から学ぶというのは、ここ最近というレベルではなく、もっとさかのぼって旧約聖書にまで至ります。

アブラハムと妻のサラ、そしてなかなか子供に恵まれなかったサラの代わりに妊娠出産したハガル、

そしてその子イシュマエルの話が紹介されています。

そして現在に至るまでの生殖補助医療の歴史へと紹介されているわけですが、

こうした哲学や神話が紹介されるにはきっと理由があるのだろうと思います。

 

先日ニュースでも報じられたように、現在日本では、AID(非配偶者間の人工授精)を行うことが事実上かなり難しい状況です。

新聞等でも記載がありますが、産まれてくるお子さんの「出自を知る権利」を考えたときに、

ドナーに名乗り出る方が日本においては少ないことが最大の理由といわれています。

 

当院では、AIDの実施施設でもありますし、JISARTに加盟しておりますので、

非配偶者間の体外受精も実施すること自体は可能です。

しかし、それはドナーがあってこその話であり、出自を知る権利が十分に守られることが前提になります。

 

日本でもいずれは非配偶者間の体外受精などが一般的に行われるなる日がくるのかもしれませんが、

産まれてくるお子さん、ご夫婦、ドナーとなる方のご家族まで含めたケアが求められます。

 

少しずつ紹介していければと思います。

妊活ノート編集部

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