日本は世界と比べても、高齢の女性が不妊治療に取り組まれており、
日本の不妊治療における妊娠率が低いとされる一因と考えられています。
ただ、同じ年齢とはいってもAMHなどにはかなり大きな差があり、
結果として、同年齢でも得られる卵子の数は異なってきます。
今回は、高齢女性の採卵数と累積生存率についての論文を紹介しています。
高齢女性でも得られる卵子の数によって累積の出産率は変わるのか
今回は以下の論文を紹介したいと思います。
Cumulative live birth rates and number of oocytes retrieved in women of advanced age. A single centre analysis including 4500 women ≥38 years old
Marta Devesa et al.,
Hum Reprod. 2018 Nov 1;33
2000年1月から2013年12月の間、大学付属クリニックで行われた分析研究です。
全体で、最初のサイクルを受けた38歳以上の不妊女性4570人が含まれていました。
ここでは、
①38-39歳のグループ:1875サイクル
②40-41歳のグループ:1380サイクル
③42-43歳のグループ:833サイクル
④44歳以上のグループ:482サイクル
で分けて、一度に得られた採卵数と累積での出産率との関係性を解析しました。
それによれば、
累積出産率は、41歳までの高齢の繁殖期の女性に回収される卵母細胞の数とともに増加し、
44歳以上の女性では付加価値が最小限で41歳以上では影響がないということがわかりました。
また、年齢群の中で見ていくと、
38〜39歳で25.9% 40-41歳で16.4%、42-43歳で7%、44歳から1.2%という累積出産率でした。
卵子には質と数があります。
AMHの紹介などでもご紹介をしていますが、年齢によってAMHは異なり、残っている卵子
卵巣刺激をして得られる卵子の数も変わってきます。
そして、加齢の影響は誰もが同じように受けていきます。
年齢と卵巣予備能に応じた治療戦略が必要になります。