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着床前スクリーニングのコストについて

諸外国で盛んにおこなわれている着床前スクリーニングは、

以前はこれを行うことで飛躍的に妊娠率が高まることばかりにフォーカスされてきましたが、

数年前に比べると、様々な議論がなされるようになってきました。

最近ではモザイク胚の扱いについての提言が多くなされてきています。

着床前スクリーニング(PGS 現在のPGT-A)におけるモザイク胚とは

また、今回はコストに関する提言がされています。

 

着床前スクリーニングはその費用に対して、効果的かどうか?


着床前スクリーニングにはコストがかかります。

例えば、Murugappanら(2015 )は、着床前の遺伝スクリーニングのコストを4,268ドルと推定しています。

およそ50万円程度ということでしょうか。

このように通常の体外受精に対して、追加で費用が発生するのが通常のようです。

上記のように相応の費用がかかるのが通常の中で、いったいどれほど効果的なのか、という点について

解説しているものを紹介します。

Preimplantation genetic testing for aneuploidy: costly or cost effective?

Jared C. Robins et al.,

ここでは、解析というよりも様々な論文等を見たうえでの提言がなされていますが、

参照元の論文を見ていると様々な提言が出てきます。

Preimplantation genetic testing for aneuploidy is cost-effective, shortens treatment time, and reduces the risk of failed embryo transfer and clinical miscarriage

Shelby A. Neal et al.,

この論文では、42歳以下の女性を対象にして、コスト分析を行っています。

74人のIVFセンターから8,998人の患者を対象に行い、

費用の差を調査しましたが、PGT-A(着床前スクリーニング)を行っているグループの方が高くなり、

その範囲は931〜2411ドルであり、スクリーニングされた胚の数にもよります。

しかし、PGT-Aは治療期間を最大4ヶ月短縮し、さらに、PGT-Aを受けた患者は、

胚移植および臨床流産の失敗を経験した回数が少なかった。

という結果を発表しています。

 

これらのことから、着床前スクリーニングがだれにでも当てはまる検査ではなく、

コストのことは慎重に検討をしなければいけないことが判ります。

また、一方でやはり流産の回避や治療を短期間で終えることを考えると、

大規模な解析でも効果的であることが判っています。

 

今後日本での導入の際にもポイントになってくると思われます。

妊活ノート編集部

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