これまで多くのカフェインに関する研究を紹介してきました。
今回、改めて、イタリアでの研究でカフェインについて、
夫婦での状況を解析して、治療成績との関係を発表していますので、紹介します。
カフェインは適量摂取であれば、不妊治療に影響はない
Maternal and Paternal Caffeine Intake and ART Outcomes in Couples Referring to an Italian Fertility Clinic: A Prospective Cohort.
Nutrients. 2018 Aug 17;10(8)
Elena Ricci et al.,
イタリアで行われた研究で、2014年9月から2016年12月の間に339組のカップルを対象にアンケート調査が行われ、
そのカフェインの摂取量によって分類をしました。
293組が移植し、110組が妊娠し、82例が無事に出産されています。
女性
低摂取グループ(114名):0-86mg
中摂取グループ(116名):87-180mg
高摂取グループ(215名):181-480mg
男性
低摂取グループ(112名):0-124mg
中摂取グループ(113名):125-209mg
高摂取グループ(114名):210-560mg
これらの解析によるとカフェインの摂取は妊娠成績に影響を与えないだろうということがわかりました。
もちろん、過剰摂取はからだに良くないというのはこれまでと変わりません。
しかし、過剰なまで注意すべき対象でなく、こうした内容よりも妊娠に対してダイレクトに影響を与えているのは、
年齢や喫煙の方がはるかに高いと言えるでしょう。