-ライフスタイルについては、様々な研究がなされていますが、
今回は日々の運動などと早発閉経の関係について紹介します。
運動と早発閉経の関係
Physical activity is not related to risk of early menopause in a large prospective study
Mingfei Zhao et al.,
Human Reproduction, Volume 33, Issue 10, 1 October 2018, Pages 1960–1967,
これまで様々な運動と閉経に関する報告がなされていますが、一貫性のある結果ではなく、
またそうした研究自体も多くはないように思われます。
早発閉経とは45歳よりも若くして閉経してしまうということで、
およそ10%の方が経験されると言われます。
その他の心疾患などとの関係性もあることで知られています。
遺伝的な要素だけでは、説明しきれず、現代のライフスタイルが影響を与えているのではないかと考えられてきました。
閉経前の女性では、身体活動は、視床下部 – 下垂体 – 卵巣軸を介してエストロゲンおよび
他のステロイドホルモンの産生を変化させることによって、卵巣機能に影響を及ぼし得ると考えられています。
これまでの研究では、激しい身体活動は、定期的な排卵のサイクルを乱し、黄体期の不全、無排卵および無月経につながります。
これらは排卵頻度が低くなるため、早期閉経のリスクがより低いことと関連している可能性があると考えられてきました。
今回の研究は大規模な前向き研究であり、1989-2011年の間フォローアップされてきた研究です。
107,275名が対象となり、そのうち2,786名が45歳よりも若くして閉経しており、
その方々についてライフスタイル調査を行ったところ、若いころやその時の運動の状況と閉経の間には、
関係がないことが示されています。
これはあくまでも早発閉経についてであることには注意が必要ですが、
過度に運動と閉経を結び付けて考える必要はないかもしれません。
不妊症についても、過度に痩せていたり、肥満であったりすることは、
排卵障害など別の不妊原因へつながっていく可能性もありますので、注意が必要ですが、
運動すれば妊娠する、運動しないから妊娠しないということではありません。