9月22日に高輪院で開催された妊活スタートアップデイの開催レポートをお送りいたします。
今回はいくつかのテーマがありましたが、その大切な一つがセルフケアでした。
食事やサプリ、マッサージやヨガ、鍼灸や漢方など実に様々ですが、
正直なところ玉石混合かと思います。
妊活は、時間に限度があるため、できる限り避けたいのが
「間違った努力」ではないでしょうか。
今回はセルフケア方法を各専門家から解説してもらいました。
妊活と漢方 西洋医学と中医学の違いとは
妊活と漢方というテーマでは住吉忍先生にお話いただきました。
住吉先生の提供される漢方治療の特徴は、
西洋医学と中医学(東洋医学)の長所を取り入れられるところにあります。
当日はオレンジジュースの例で例えられましたが、
「おいしいオレンジジュースを得るために」
というテーマで取り組んだ場合、
西洋医学では、オレンジのカットの仕方や絞り方などを工夫することで美味しいオレンジジュースを作ります。
一方、東洋医学では土壌を変えたり、木の幹を丈夫にするなどして、オレンジ全体の質を上げて、どんな絞り方でも美味しさを引き出せるようにしていきます。
一方でここでは触れられてはいませんが、西洋医学には即効性があり、東洋医学は時間をかけて根本的にという特徴があります。
そのため、どっちがいいかということでは、双方の長所を取り入れることが大切であるということでした。
そして、そのうえで大切なポイントは
「自分自身の体質を知ること」
でした。
このようなチェックリストを用いて、ご自身の体質を簡単にチェックしたうえで、
陽虚体質、陰虚体質という方を代表例としてお話いただきました。
どういう漢方がいいか、というお話ではなく、
どのような生活習慣をするとよいのかという点での解説でしたので、
多くの方がメモを取られているのが見て取れました。
陽虚体質とは、熱を生み出す力がなく、代謝が悪く、冷えやすい。
生殖能力を司る腎が弱いという傾向がみられるため、
身体を「温める」のではなく「冷やさない」
スクワットなど、「芯から温める」運動
夏野菜など「冷やす食材」は避けて、朝食をしっかり食べる
などが大切な要素だということでした。
体そのもの力に注目されているため、単純に冷えたからカイロで温めるのはよいが、
そのまま力を借り続けるのはなく、自分自身の体質を変えていくことで、冷やさないようにしていくことが
大切とのことです。
ただ、体質というのも、言葉で言うほど簡単にとらえられるものではなく、素人養生は危険であるため、
一度自身がどのような体質に該当するのかを調べてもらうとよいでしょう。
妊活と鍼灸 ライフスタイルについて
鍼灸については徐先生からお話いただきました。
鍼灸によってできることは、
ライフスタイルの中で抱えている不調の解消が中心です。
より具体的なところで気になる点では、
卵子の発育を良くすること
子宮内膜の厚みを増していくこと
が鍼灸治療ではできると考えられています。
実は今、日本には6万院近い、鍼灸治療院が存在しています。
需要も高いためか、不妊鍼灸というような鍼灸院も多々存在しますが、
まさにこの鍼灸院もまた玉石混合です。
その中で、徐先生は不妊鍼灸の第一人者として、
「日本生殖鍼灸標準化機構」を立ち上げ、理事も務められています。
今回のお話の中でも様々な論文などのエビデンスを紹介されていらっしゃいましたが、
そうしたエビデンスをしっかりもっている方に施術してもらうことが大切なことだと思います。
また、セルフケアを行う上での大切なポイントとして
卵子が育つ期間を上げてくださいました。
セルフケアをしているとつい結果を急いでしまうということがあるかもしれませんが、
妊娠に大切なことは良い卵子をはぐくむことです。
その卵子が育つのに通常3-6か月かかると言われています。
そのため、セルフケアにはそれくらいの時間をかけながら取り組んでいく必要があります。
これも知らないと、目の前の結果を急いでしまい、大切なセルフケアがかえってストレスということになってしまいますね。
そのようなことがないように、正しい知識を持つことがとても大切だと思わせられる一場面でした。
セルフケア(努力)は、正しい知識と正しい方法で、心地よく行うのがポイントです。
次回は心理のセルフケアなどについてご紹介したいと思います。