不妊原因の半分は男性に要因があると考えられています。
実際にその多くは、精子を作る能力が低下している造精機能障害です。
今回の研究では、不妊男性のその後の精液所見について研究しています。
不妊男性のその後の精液所見は…
Decrease in semen quality and Leydig cell function in infertile men: a longitudinal study
Human Reproduction, dey283, https://doi.org/10.1093/humrep/dey283
I A Olesen et al.,
今回の研究では、1995年1月から2000年12月までの初期不妊評価の15年後に、男性不妊症の患者のフォローアップが行われました。
男性不妊患者137名とコントロール群70名が対象として選定されました。
15年後の検査への参加率はそれぞれ31%および26%でした。
精液検査をしたほか、採血によるホルモン測定でFSH、LH、テストステロン、性ホルモン結合グロブリン、
エストラジオールおよびインヒビンBを測定し、15年前の結果との比較を行いました。
精液検査の結果は、不妊男性の方が、健常な男性に比べてはるかに低く、
ライディッヒ細胞細胞容量が有意に低い結果となりました。
男性不妊患者群では、
精子濃度が1.9から0.6mil / mlに減少し、
総精子数は7.7から2.0M(P = 0.019および0.012)に減少し、
10%は無精子症を発症しました。
またホルモン値については、LHの増加およびtT / LHおよびcFT / LH比の低下がより顕著でした。
病院の記録を用いた大規模な横断研究として、今後は生活習慣病や他の疾患との関係性などを調べられるのではないかと思いますが、
不妊症は一過性のものではなく、その後も悪化の傾向があることがこの研究では見て取れます。