採血時に
「食事をしてきてしまったのですが、大丈夫でしょうか?」
「昨晩お酒を飲んだのですが」
等々の質問を受けます。
特にスクリーニング検査は項目が多く、肝機能検査なども入っているので、前日の飲酒について心配される方がいます。
血液検査でのγ-GTPは、前日の飲酒よりも普段から頻繁にアルコールを摂取している方が高値になる指標ですので、前日のみの飲酒が直接関係するわけではありません。
健康診断などではよく、空腹時で採血を行なうことがありますが、それは食事をすることにより検査値に影響を及ぼす項目があるためです。
一般的なものには、血糖と中性脂肪がありますが、当院のスクリーニング検査にはどちらも含まれておりません。
スクリーニング検査とは別に行うことがあります。血糖の検査を行う際は事前にお知らせいたしますので、
指定の時間以降は糖分の摂取は控えていただくようになります。
血糖は食後に一過性に値が上昇し、健常者の場合、2時間程度で空腹時の値に戻ります。
糖分を摂取してしまうと、検査値が高くなってしまい、正確な値を得ることができなくなってしまいますので、
もし検査前に糖分の入ったものを口にしてしまった場合は採血前にスタッフにお伝えいただければと思います。
また、食後の場合、血液が乳びしてしまうことがあり、この乳びの影響で検査の値に影響を及ぼしてしまうものがあります。
乳びとは・・・血液検査で採血をすると、血液は遠心分離機によって血球成分(赤血球、白血球など)と血清(液体部分)に分離されます。
血球成分は重いので底に沈殿し、上澄み部分が血清として残ります。
血清は血液の液体成分ですが、通常は透明な黄色みをおびています。
乳びとは血清の色が透明な黄色の色調ではなく、乳白色で白濁した状態を指します。
乳びは、食事から接種する中性脂肪(外因性脂質)が原因であること多いため、健康な人でも食事後ある程度の時間を置かなければ起こります。
健康な人であれば、通常食後4時間程度でピークを迎え、その後徐々に低下していきます。
乳びが影響を与える項目としては総蛋白・ZTT・TTT・総ビリルビン・直接ビリルビン・PT・APTT や、抗精不動化抗体などがあります。
当院で1番多く行うのはホルモン状態確認のための採血かと思いますが、ホルモン検査に関しては食事・飲酒、検体の乳びについて影響は受けません。