心理カウンセリングについてのよくいただく質問やご意見として、
・私にはまだ必要ではない
・どんなタイミングで受ければよいのかわからない
・受けたところで、結果が良くなるかわからない
というようなお声があります。
すべてが科学的に計算できるものだけではなく、
一概には言えませんが、心理的な状況の影響は決して小さなものではなく、
治療にも少なからず影響しています。
今回は、心理学が盛んな欧州での、心理カウンセリングと治療の相関関係について解析した
研究について紹介したいと思います。
心理的な状況とARTの治療成績について
これまで心理的な状況と治療の成績については以下で紹介したものが、
非常に反響が多かったものの一つです。
当院では、臨床心理士、生殖心理カウンセラーの菅谷が常駐しており、
いつでもカウンセリングを提供していることからもわかるように、
EBM(Evidence Based Medecine:根拠に基づいた医療)を重視しながらも、
心理的なフォローは不妊治療には欠かせないものと考えております。
今回、ご紹介する研究は以下になります。
Yoon Frederiksen et al.,
この研究では心理学的な影響を考察した39の論文、2,746名の患者さんのデータを解析したメタアナリシスになります。
これによると、臨床的な妊娠率は2.01倍に変動し、心理的な介入によってリスクは0.59倍に減少するという結果が得られました。
特に、認知行動療法(CBT)による介入が効果的であったことも触れられています。
何が、なぜ、どのような作用をしたのか、そうした科学的な根拠はないかもしれませんが、
このような大規模な研究の結果があるのも事実です。
生殖にまつわる不安や悩みは誰にでも話せることではありません。
親しい人だからこそ話せない、という事もあります。
専門的な第三者と話してみることで心の荷が下りた、という方もとても多いです。
無理に勧めるものでもありませんが、治療そのものが心理的、経済的、身体的、時間的なストレスがあるため、
誰にでも受けていただきたいと思っています。
当院での認知行動療法を受けられた方の声は以下から確認いただけます。