子供のころに聞いたこともある方も少なくない「風疹」ですが、
これもまた不妊症や妊娠とは関係性があります。
一般的には術前検査で調べられる風疹抗体検査について解説します。
風疹とは?
風疹ウイルスが鼻・咽頭部の粘膜に付着、侵入し増殖するウイルス感染症の一種で、潜伏期間は2~3週間あります。
その後、鼻水、せきなどの初期症状ののち、「紅色斑丘疹」「発熱」「頸部リンパ節腫脹」の3症状が現れるのが典型的ですが、
無症状のこともあります。一度かかった場合は二度とかからないことが多いものの、再感染例もあります。
感染経路は飛沫感染することで知られています。
風疹にかかるとどのようなリスクがある?
先天性風疹症候群というものがあるのをご存知でしょうか。
妊娠初期の妊婦(特に16週未満)が風疹に感染することによって、新生児にさまざまな奇形や障害
(典型的な三大症状は、心奇形、難聴、白内障)をもたらすことが知られています。
成人でも15%程度の無症状感染者があるので、母親が無症状であっても先天性風疹症候群は発生し得えます。
これが先天性風疹症候群ということで、妊婦さんと胎児が受ける影響です。
このため、妊娠前に、抗体(抵抗力)の有無を検査し、抗体が陰性の場合、ワクチンを打つことが考慮されます。
このワクチンが不妊治療を行っている方にとっては、時に大きな負担となります。
ワクチンが負担?
ワクチンは生ワクチンのため、接種を行った場合、2ヶ月の避妊が必要となるためです。
そうなると、おおよそ2周期にわたって治療を停止しなければなりません。
とりわけ38歳以上で時間を意識しながら行われる方にとっては、
非常に大切な2か月間であることはいうまでもありません。
検査方法と対策は?
風疹抗体検査は血液検査で行うことができ、検査結果はおおよそ10日の後に得ることができます。
対策についても、ワクチンを接種するということで非常にシンプルです。
しかし、記載の通り、不妊治療を頑張る方にとっては大切な時間を失うことになり、
妊婦になる方にとっては、大切な赤ちゃんへ大きなリスクを追うことになります。
簡単に調べることができるようになった今、不安がある方はまず検査をしてみましょう。
そして必要であれば早いうちにワクチンで対策をするようにしましょう。