私たちは、毎月のセミナーやこうしたブログやホームページ、
他のメディアでのコラムなども含めて積極的に情報発信をしています。
このブログを始めたきっかけの一つでもありますが、あまりにも医療や健康に関する情報は
玉石混合で、インターネットでアクセスがしやすいのが災いし、誤った情報を得てしまうことを
避けたいという思いがありました。
一方で、事実として、正しい妊娠への知識をもつことが妊娠への近道になるということがあります。
今日はそうした研究について紹介させていただきます。
正しい知識習得が妊娠の近道
Effects of fertility education on knowledge, desires and anxiety among the reproductive-aged population: findings from a randomized controlled trial
Hum Reprod. 2016 Sep;31(9):2051-6
Maeda E et al.,
日本の方が発表している論文です。
この研究では20-39歳の1698名の挙児を希望する男女を3つのブロックに分け、
1つのグループには妊娠についての正しい知識を与え、
その他二つの対照群と比較検討をしたという研究です。
この研究の結果をようやくすると、
正しい妊娠の知識を提供することで、知識が高まる一方で、不安も増していくことになるということです。
漠然とした状況からリアルに見えてくることで、不安が一次的には大きくなりますが、
その後どうすれば解消していけるのかを知ることによって、不安が低下していくことを示しています。
実は、この研究でも用いられている、妊娠についての正しい知識は世界各国でも用いられており、
日本はその知識がダントツに低いことでも知られています。
妊娠についての正しい理解の根幹には、妊娠=不確かなもの、(誰にとっても当たり前ではないのだということ)
を理解することから始まります。
この時点で、現在生殖年齢を迎えている方の多くは揺らいでしまうことも考えられます。
学校の教育では教えられていないのである意味では当たり前のこととも言えます。
そのため、生殖医療に心理カウンセリングが欠かせないと日々言われているのです。
正しい知識を提供し、来られた患者さんにはそうした医療ケア、心理ケアを徹底していくことで、
少しでも多くの方が安心して妊娠に向かっていけるように努めていきたいと思います。
セミナーも積極的に開催していきます。
ぜひご参加ください!