コラム

生殖心理カウンセリングコラム:本当に子どもがほしいのかわからなくなってきた、という方へ

こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。

クリニックのカウンセリングルームにて、タイトルのようなお気持ちをお聞きすることがよくあります。

みなさん、こうもおっしゃいます。

 

「自分だけがこんなことを思っているのでしょうか。待合室のほかの患者さんは強く妊娠を望んでいる方ばかりに見えます。」

病院に行ってみようかな、とか、ステップアップした方が良いのかな、というような節目にいろいろと考えをめぐらせているうちに、

自分の気持ちがなんだかよくわからなくなってきました、という状況と思われます。

実は多くの方がお感じになっていることだと思います。

絶対的に子どもがいた方が良い、という信念を強く持っている方しか治療を受けていないということはありませんし、

どうあるべきかということは誰にもわからないからです。

このように感じてしまうきっかけはいくつかあると思います。

 

例えば、

・妊娠は一人でできるものではない。パートナーがいて成立するものだが、治療をどのように進めていくかは自分に委ねられているが、その負担が大きい。

・年齢のリミットがあるから、考え終わってから行動するのでは遅いかもしれない。

・大変な思いをして妊娠しても、若くないし、子育てが大変かもしれない。

・二人きりの生活に慣れてしまって、今から子育てという大変なことを始めて後悔するような気もする。

などでしょうか。

しかし、「本当に子どもが欲しいかわからなくなってきた」という気持ちも自然なものだと思います。

実際に子どもを生んでいる方でも、確固たる信念があって生みました、と言い切れる方は少数ではないでしょうか?

迷いながらでも良いと思います。

しかしお子さんが生まれてきたら迷っている猶予はありません。

「考えられる中で、後悔のないような道を選択する」

「自分の選んだことには自信を持つ」

というような考え方で対処していけると思います。

個別の状況によってもいろいろと変わってくるので、カウンセリングもご利用いただければと思います。

迷いながら進むべき道を模索しているのが私たちであって、カウンセリングというものはその考えをカウンセラーに話すことによって自分の考えを整理する、というものだと思います。

 

私たちが感じている悩みは、同じことに取り組んでいる方々の多くが実は感じていることで、みんな同じようなことで思い悩んでいるのだということは、なんとなく感じていただきたいと思います。

迷いながらも自分にとっての前進を続けていきましょう。

 

また、なかなか授かれないことを、こうした気持ちを抱いたからだと、

自分を責めてしまう方もいらっしゃいますが、そうした方には以下も見ていただきたいと思います。

「赤ちゃんは親を選んでやってくる」って本当?

 

自分自身を守る努力はとても大切です。

 

妊活ノート編集部

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妊活ノート編集部です。医療現場での当たり前を、より分かりやすい情報としてお届けします。正しい知識を得ることで、一日でも早い治療卒業のサポートをしたいと考えています。

菅谷典恵

菅谷典恵

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臨床心理士、生殖心理カウンセラー、がん・生殖医療専門心理士
京野アートクリニック(仙台、高輪)にて生殖心理カウンセリングを担当。
治療のことはもちろん、仕事と治療の両立、ご夫婦の考えの温度差、あらゆる人間関係など、どのようなご相談でもお受けしています。
治療もプライベートも快適に過ごすためのサポートとなるようなカウンセリングを目指しています。

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