健康的な食事と妊娠しやすいかどうかは密接に関係しています。
今回は、ファストフードと果物の摂取が妊娠するまでの期間について
解析している研究について紹介します。
ファストフードの摂取と果物影響について
Fast food and fruit intake before pregnancy are related to the time to pregnancy.
HumReprod. June 1, 2018, 33 (6): 1063-1070
Grieger JA et al.,
今回ご紹介する研究は、果物の摂取量とファストフードの摂取量は、
妊娠するまでの期間(Time To Pregnancy)との関係があるかということについて後方視的に解析したものです。
オーストラリア、ニュージーランド、英国、アイルランド合同で行われた、SCOPEスタディーという研究で、
5,598名の女性を対象として行いました。
これらの解析によると、フルーツ摂取量の低下とファストフード摂取量の増加がTTPが増加することと中程度に関係している
と報告されています。
フルーツを1日3回以上食べる人を基準(1)とすると、
1-2回/日:1.06
1-6回/週:1.11
1-3回/月:1.19
とTTPに変化が見られました。
また、同様にファストフードを週に4回以上食べる人を基準(1)とすると
2-4回/週:0.89
0-2未満/週:0.79
ファストフードなし:0.76
という結果となりました。
また、不妊症のリスクもこの傾向と同様に、
フルーツの摂取量が下がるほど不妊症リスクが上がり、
ファストフードの摂取量が上がるほど、不妊症リスクも上がりました。
こうしたことから、妊娠を意識される方にとって
フルーツはすすんで摂取していただくべきで、
ファストフードはできるだけ慎んでいただいたほうが良いことが判ります。
もちろん、少しファストフードを食べただけで、不妊になるようなことはないと思いますので、
どうしても食べたいなと感じるときに食べることは精神的にもむしろ健康かもしれません。
栄養と肥満やBMIは確実に関係をしていますし、
そうした点と健康、ひいては妊娠・出産、子供への影響は存在しています。
すべてはバランスだとは思いますが、気になる方は気を付けて、
管理していただければと思います。