今回はアメリカで行われた大規模調査Nurse Health Study2(以下、NHS2)から
子宮内膜症と食べ物の関係について
紹介したいと思います。
子宮内膜症は非常に多くの女性にみられる疾患です。
詳細は以下から確認ください。
ですが、そのメカニズムには明かされていない点も多くあります。
どのようにして起きるのか?が不明な分、どのようにしたら防げるのかも定かでない点があります。
しかし、明確なイベントがなくともなる疾患である以上、
生活習慣との関係性があるのではないかと考えられているのです。
果物と野菜の摂取と子宮内膜症の関係
Fruit and vegetable consumption and risk of endometriosis
Hum Reprod. 2018 Apr 1;33(4):715-727
H R Harris et al.,
NHS2では、1991年から2013年までの70835人の閉経前女性から収集したデータを用いた研究を行いました。
4年ごとにFFQと呼ばれる食物摂取アンケートを回収し、子宮内膜症との関係性を追求しました。
子宮内膜症は腹腔鏡下で確認したものだけに限定しています。その数2609名。
これらの調査の結果として
柑橘系の果物を1日1個以上食べる女性はそうでない方と比較して、子宮内膜症になるリスクが22%少なかった。
一方で、野菜の摂取と子宮内膜症リスクに相関は認められなかった。
食品中にあるβクリプトキサンチンが子宮内膜症との関連があることが示唆された。
この研究は非常に大規模な研究であり、決して無視はできないですが、
エビデンスとして確実かと言われれば、そうではない部分もあります。
野菜を食べる人と食べない人をランダムに2グループに分けて比較などはしようもないためです。
ただ、これだけの大規模データの中からの特徴として、
柑橘系の果物摂取が子宮内膜症リスクを下げるかもしれないということは頭に入れつつ、
若いうちから、健康的な食生活を心がけていく必要がありますね。