今まさに妊活中の方々にとっては、何かの解決にはならないかもしれませんが、
ぜひ紹介しておきたい内容があります。
昔にはなかったもので、今はあるものの一つにジュースなどの
いわゆる「甘味飲料水」というものがあります。
特にアメリカなどでは、これが大きな問題になっています。
今回はそうした甘味飲料水と初潮との関係について解説したいと思います。
ジュースなどの甘味飲料水と初潮の関係
Hum Reprod. 2015 Mar;30(3):675-83
Sugar-sweetened beverage consumption and age at menarche in a prospective study of US girls.
Growing up Today Studyという名のこの研究は、
全米50州の16875名のこどもたちを追跡的に調査したものです。
いわゆる質問票を用いて、甘味炭酸飲料水やフルーツ飲料、砂糖入りアイスティーなどと初潮の時期について調査しました。
これによると
1日1.5杯以上飲む子と週に2回未満飲む子と比べて、2.7カ月初潮が早くなると考えられます。
非炭酸のフルーツ飲料でも有意差を認めたが、アイスティーでは認めなかったとのことです。
最近の子たちは初潮が早いというようなことを聞いたことはありませんか。
実際に、初潮は少しずつ早くなっている傾向はあるようで、
その要因の一つに体脂肪の増加があると考えられます。
初潮のためにはおよそ17%の体脂肪が必要とのことですが、
食べるものの栄養状態が昔よりよくなっていることが原因と考えられます。
また、初潮には脳の発達も必要ということですが、ここは言わずもがな、現在のほうが早いのかもしれません。
一方で初潮が早いのはよいことかといわれるとそうとも言えません。
日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインでは、
日本人女性においても早い初経年齢は乳癌発症リスクを増加させることが示されている
とおり、欧米のメタアナリシス(大規模な研究)では、
初経が1年早まるごとに5%ずつ有意にリスクが増加する
と報告されています。
年々、若年の乳がん罹患者が増えていると聞きますが、
こうした生活の変化による環境要因もあるのだと思います。
美味しいものは楽しみたいですが、
あくまでも適切な範囲と正しい知識で接したいものですね。