子宮内膜症は、婦人科の疾患としては、罹患率が高く、
実に女性の10%近くが罹患しているとも考えられています。
不妊症の方では20-30%以上が子宮内膜症ともいわれています。
今回は子宮内膜症とBMIについて、看護師さんが行った研究について紹介したいと思います。
子宮内膜症とBMIの関係について
Hum Reprod. 2013 Jul;28(7):1783-92
この研究では、1989年から2011年という長期の期間において、11万人超の看護婦さんが得た質問票データをもとに
解析を行いました。
子宮内膜症は、5504人/1299349人に認められました。
子宮内膜症の診断は腹腔鏡による診断のもののみです。
18歳の時の身長と体重から導き出されるBMIをベースラインとして、
2年ごとに質問票を更新して、体重およびウェストヒップ比を更新していきました。
それによると、18歳の時の体重(≒BMI)および現在の体重(≒BMI)が、
子宮内膜症との負の相関をしめしたというものです。
ウェスト・ヒップ比が0.60の女性では、ウェスト・ヒップ比が0.70〜0.79の女性と比較して、子宮内膜症の割合は3倍近く高く、
肥満の方、BMIが35以上、あるいは40以上のグループは、やはり子宮内膜症のリスクが高かったとのことです。
長期間にわたる大規模な研究であり、痩せすぎの方と肥満の方に子宮内膜症が見られるということが示唆されます。
子宮内膜症はその疾患の性格上、月経周期と共に繰り返されるものと考えられるので、
若いころから適切な食生活や運動などによる体重管理がなされていることが大切なのだと思われます。
子宮内膜症は自覚症状がない方も多いですが、問診などにおいては現在の体重だけでなく、
若いころの過度なダイエットや肥満など、そうした経験も今後重要な判断材料となっていくかもしれません。
子宮内膜症の治療については、以下からも確認いただけます。