不妊治療における超音波検査は、経膣超音波を使用して、卵巣や子宮の状態を確認します。
初期時の検査とその後の検査で見るべき項目に差がありますので、確認しましょう。
初期の検査で行うこと
初期の超音波検査では主に、
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子宮の状態
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子宮筋腫の有無
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子宮腺筋症の有無
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卵巣の状態
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卵巣嚢腫の有無
を確認します。
ここでの検査ですでに異常があるという場合には、治療のスタートが変わってくるため、
ほぼすべてといっていいほどの医療機関では超音波検査を実行すると思ってよいでしょう。
排卵日前後に行われる超音波検査
排卵日の前で行なう超音波検査は、卵胞(卵子を含んでいる液体入りの袋をイメージしてください)の大きさと数を測定して
排卵日の予想を行ない(血液検査のホルモン値も参考にします)、治療内容を確認します。
また子宮内膜もこのとき確認することによって、内膜上のポリープなどの診断を行うこともできます。
一般に卵が育つ、という言い方をしますが、卵というのは実は卵子のことではなく、卵胞のことを指しているケースがほとんどです。
卵子は精子と比べれば大きな細胞ではありますが、目視で確認できるというものではありません。
排卵後には、卵胞がなくなっていることを見て、確かに排卵があったことを確認します。
しかし中には、確かに排卵しているはずなのに、卵胞が排卵前と同じに存在していることもあります。
これを黄体化非破裂卵胞(LUF)といい、体外受精の適応も考えられます。
また体外受精の場合には、卵巣刺激法の決定のために、超音波検査での結果を参考にしたり、
採卵する場合前後にも行うなど最もポピュラーな検査の一つといえます。