これまで肥満が不妊に与える影響については、様々な報告がされています。
今回は最新のEshre(ヨーロッパ生殖医学会)からの報告で、
妊娠前の食生活が妊娠までの期間に与える影響について発表しておりますので、
ご紹介したいと思います。
妊娠前の食生活が妊娠までの期間に与える影響について
今回の研究はイギリスやアイルランドで行われた共同研究で、
SCOPE(Screening for Pregnancy Endpoints)という研究の発表です。
Pre-pregnancy fast food and fruit intake is associated with time to pregnancy
今回の研究では5,598名の妊産婦を対象に聞き取り調査が行われました。
特に、
果物
緑黄色野菜
魚
ファストフード
の摂取状況を4段階にそれぞれわけ、その多い少ないによる妊娠までの期間への影響について調査しました。
この結果によると、
①フルーツの摂取状況が妊娠期間を長期化させ、不妊症となるリスクを増加させる可能性
妊娠までの期間
1日3回以上取られる方を基準とすると、
1日1-3回の方は、6%増加する
1日1回未満(週に1-6回)の方は、11%増加する
月に2-3回の方は、19%増加する
不妊症リスク
1日3回以上取られる方を基準とすると、
1日1-3回の方は、不妊症リスクが7%増加する
1日1回未満(週に1-6回)の方は、不妊症リスクが18%増加する
月に2-3回の方は、不妊症リスクが29%増加する
としています。
果物をより多く摂取した方が妊娠に対してはポジティブということですね。
②ファストフードの摂取状況が妊娠期間に与える可能性
妊娠期間
週に4回以上ファストフードを取られる方を基準とすると、
週に2-3回の方では、11%期間が短縮された。
週に1回の方では、21%期間が短縮された。
全く食べない方では、24%期間が短縮された。
不妊症リスク
週に4回以上ファストフードを取られる方を基準とすると、
週に2-3回の方では、不妊症リスクが18%低下する
週に1回の方では、不妊症リスクが34%低下する
全く食べない方では、不妊症リスクが41%低下する
とのことです。
緑黄色野菜と魚の摂取状況については、妊娠期間、不妊リスクとの関連性が認められなかったということです。
また、この研究は後方視的研究といわれるものですので、あくまでも参考としてとらえたほうが良いものです。
フルーツをひたすら食べ、ファストフードをとにかくやめれば妊娠するか。
というとその限りではありませんし、ファストフードを過度に食べ、果物も多くとれば、
プラマイゼロというと、そういうことでもありません。
以前、地中海食と妊娠の関係についても紹介していますので、
参考にしていただければと思います。