当院では今年から遠隔診療・オンライン診療を始めていますが、
現在はClinics(クリニクス)という遠隔診療システムを導入しています。
遠隔診療・オンライン診療にはまだ正式な学会のようなものがありませんが、
GWの真ん中にも拘わらず、企業主催のこのイベントにおよそ400名近いドクターが参加されました。
現在では、850以上の医療機関で導入されているというとのことで、今後の展開が楽しみです。
会を通じて感じられたのは、オンライン診療に対しての熱気でした。
新たに保険診療の項目として加算されたこともありますが、
とにかく患者さんのためになる医療をしたいという関係者のモチベーションのようなものなのかもしれません。
私たちの活用方法は主に、
がんにかかられ、妊娠する力を未来に残したいと考えている患者さんへの診察やカウンセリング、(妊孕性温存)
遠隔地にお住まいで通院負担が大きな方へのカウンセリング
仕事で忙しく通院もままならない方への隙間時間を活用した診察
などになります。
特に、妊孕性温存の場面においては、様々な課題があり、
患者さんからすればそもそも生殖医療のことが初めてということも多く、
そうした方にいきなり生殖の仕組みやがん治療のこと、そして生殖医療の詳細を伝えるのはとても難しく
そうした点でのシステムの改良はさらに求められると思いますし、
カウンセリングの場においても、言葉では伝わらない部分の要素はやはり重要な要素です。
こうした課題を残しつつも、現在でも確信しているのは、
遠隔診療・オンライン診療の活用によって、居住地を問わず、平等に妊孕性温存を受けられる可能性が高まること
通院負担を下げながら診察やカウンセリングを受けることで、生活や仕事と治療の両立を図ることができること
は大きなメリットとなるものだと思います。
生殖医療において、先進的に活用しているクリニックはまだ無いようでしたので、
私たち自身がこの領域での第一人者として、患者さん中心の医療を体現していきたいと思います。