こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。
今回は、患者さまから多くいただくご相談の一つである、
「妊娠のための努力」について考えてみたいと思います。
人生ではいろいろな局面で努力が必要です。
勉強をしたら大学に受かる、
仕事を頑張れば昇進する
など、努力が実を結ぶ実感を得ることは、人生の充実感を与えてくれます。
このコラムを読んでくださっている皆様も、きっと毎日たくさんの努力をされていることでしょう。
そして子供が欲しいなと感じる現在のフェーズでは、
妊娠の仕組みを調べ、
基礎体温を測り、
排卵検査薬を使い、
タイミングを合わせるなど、
いろいろと行動されている方が多いと思います。
皆様、当然頑張られます。
どうにかして自力で妊娠できないかな、と。
確かにそうすれば通院の時間もお金もかからず済みます。
クリニックの力を借りずに成し遂げた、という自己に対する評価もきっと高まるでしょう。
意を決してクリニックにお越しになったとしても、食事・睡眠・ストレスに注意を払い、最大限妊娠に近づくようご自分でも努力されます。
整体・鍼灸・漢方・栄養・睡眠時間・サプリ・仕事量の調整・・・・・・
しかし、どこまで頑張ったら「万全の態勢」となるのかはわかりません。
ここがつらいところです。
いくら頑張っても妊娠しないと、ご自分を責めたくなってくる方がいらっしゃいます。
自分自身の努力が足りないからだ、と考えると大変苦しくなりますよね。
今までの人生では努力が実ったのに、妊娠できないのは
私の努力が足りないのか、
子供を願う気持ちが弱いから妊娠に到達できないのか・・・と。
ただ知られていないことの大切なことの一つに、
そもそも生殖の領域にご自身の努力が入り込める余地は案外少ない、
ということがあります。
自分の力ではどうにもしがたいこともあります。
それは自分の努力不足ではありません。
ご自分を責める必要もありません。
自分でできる努力では難しいものなのです。
むしろ適切な医療が必要ということもたくさんあります。
苦しかったら、いつでもお話しをうかがいます。
「話しても変わらない」と思われるかもしれませんが、「話す」ということはストレスを軽減させてくれます。
話すことによって別の視点を持てるようになることもよくあります。
誰にでも気軽に話せることではないからこそ、クリニックには専門の臨床心理士がいます。
特に話題が見つからなくても大丈夫です。
お越しになってみると、いろいろ出てくるものです。
どうぞお気軽にお越しください。
お待ちしています。