当院ではあまり使用する言葉ではないため、解説が必要と思いますが、
新鮮胚移植では多くの場合、「初期胚」を用います。
胚盤胞移植については、当院では凍結融解胚移植で用いられることが多いです。
従来、胚盤胞移植のほうが妊娠率が高いということが分かってきたため、
移植の第一選択とされてきましたが、生まれたその後の比較を行った研究を紹介します。
初期胚移植と胚盤胞移植による出生時の体重について
初期胚と胚盤胞の違いなどについては、以下でもご紹介しています。
アメリカで行われた研究を紹介します。
Litzky JF et al.,
2007年から2014年に新鮮胚移植を行い出産に至った方124,154名を対象として、
出生時の体重について比較したというものです。
結果として、単一胚移植の場合には、
初期胚移植と比べて胚盤胞移植の方が、19gほど体重が重かったという結果にはなりましたが、
健康問題を引き起こすレベルでの差は見られなかったとしています。
当院でも昨年のIVF学会において、凍結融解胚移植によって生まれたお子さんのフォローアップ結果を発表し、
最優秀賞を受賞いたしましたが、生殖医療はまさに安全性を証明しながら進んできた医療です。
最近では遺伝子解析技術などの普及に伴い、様々なことが検査可能になっています。
ERAやフローラなどもその一つです。
こうした、新しい技術や治療についても、十分に検証し、患者さんと納得した上で、有益と考えられるものについては、
進めていければと思います。